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7-3. 光環境 (4)

それぞれの電球がもっている性能はルーメンで表せますが、実際にある場所がどの程度明るいのか、つまり照度を示す単位はルクス(lx)として定義されています。「1平方メートルの面が1ルーメンの光束で照らされる時の照度」とされており、式で表せばlm/m2と記されます。例えばオフィスの設計においては、机上700lxというのが1つの目安となっていているので、一般的なオフィスだとすれば皆さんの机の上の明るさは概ねそれを前提に設計されているのが普通です。一応、労働安全衛生基準では300lxということになっています。
ちなみに太陽光の平均照度は32,000lx〜100,000lxなので、いかに太陽が明るいかということがわかるかと思います。太陽を目で見てはいけないのは、実際にやってしまうと目が痛いことでも分かりますが、数字で考えてみれば、それは30,000lx以上の照度を目に当てているということになるのです。この太陽光、度々ルクス表示の記述は目にするのですが、光源そのものの明るさであるルーメンにするとどの程度のものなのでしょうか?気になって調べてみましたが、約3.6×10の28乗ルーメンということだそうです。天文学的数字でもはや想像ができませんが、圧倒的に明るい光源であるということは確かですね。

7-3. 光環境 (3)

さて一般電球で12lm/W〜15lm/Wの効率だということを前回示しました。現在はLED電球がエコの観点から採用されるケースが多いですが、実際のところデータ上でどの程度の差があるのでしょうか。器具の配列や器具そのものの性能で多少の幅はあるようですが、LEDの発光効率は概ね100lm/Wだそうで、一般電球に比べれば7倍前後の効率的であるということが分かります。ちなみに蛍光灯で60lm/Wなので、これもLEDの方が1.5倍程度、効率が良いということになります。
またLEDのメリットとして電球の寿命の長さが挙げられます。一般電球で3,000時間、蛍光管で6,000〜12,000時間とのことですが、LEDの場合は40,000時間と言われ、一般電球の10倍以上長持ちがするようです。40,000時間といえば、24時間付けっぱなしにしておいたとして、1666日、4年半は保つ計算になります。場所にも寄りますが、例えばオフィスビルの業務スペースだとして、実際には1日の半分の時間も付けないで、かつ週末が休みであることを考えると、およそ10年は電球を替えずに済むのではないでしょうか。消費電力とともに球の交換頻度の少なさもLEDの魅力です。
ちなみに球の切れ方ですが、一般電球は急にパチッと切れます。蛍光管はちらつき始めると交換の合図ですよね。LEDの場合はあまりそういうはっきりとしたサインは無いようで、なんとなく照度が低くなって来たら交換のサインだということです。

7-3. 光環境 (2)

少し前に遡れば照明は蛍光灯か白熱灯くらいなものでしたが、現在では消費電力が少ないLEDがかなり普及してきています。過去には照明器具の明るさはワット数を目安にしていましたが、LEDは少ない電力量で明るさが得られるわけで、そうなるとワット数を目安にすることは出来ません。LEDの電球のパッケージに「40W相当」などと書いてあることがありますが、当然、実際にはそれよりも少ない電力量のランプなわけです。
本来ならば照明器具の明るさはルーメン(lm)という単位を使います。ルーメンは日本語で言えば「光束」と呼ばれ、イメージとすれば照明器具から光の束が出ているといったところでしょうか。厳密な定義を言えば「全ての方向に対して1カンデラの光度を持つ標準の点光源が1ステラジアンの立体角内に放出する光束」ということになるそうです。例えば、E26口金という標準のソケットの一般電球の場合、40Wで485lm、100Wで1520lmというデータがあります。つまり1Wあたりの光束で言えば、40W電球の場合は12.1lm/W、100Wの場合は15.2lm/Wと言うことになり、100Wの方が明るさに対して消費電力の効率が良いということになります。

7-3. 光環境 (1)

7. オフィスビルの環境

住宅などの建築物の場合、南向きに開口部があり採光が取れるということがとても重要視されていて、ある程度不動産の価格にも反映されているでしょうが、オフィスに関しては採光についてはあまり重要視されていないように思います。基本的には電灯などの人工的な照明器具によって必要な明るさが取れれば良いと考えられているのでしょうが、やはり一般的な感覚からすると自然光が取れて、外に風景が広がっている環境は(その風景にもよるでしょうが…)オフィスであろうが、住宅であろうがやはり人が居る場所として快適だとは思います。このトピックでは差し当たって、このような(個人的な私の)認識を前提としつつ、現在のオフィスにおける光環境について考えてみたいと思います。
まずは明るさを定量化する単位を見てみます。日常生活において、電球を交換する際には40W(ワット)、100Wといった、ワット数を基準に選ぶことが多いかと思います。当然ですが、ワットというのは明るさの単位ではなく消費電力量の単位であって、例えば40Wの電球の場合には、下記の式が前提となっています。
40W(ワット)= 100V(ボルト)x 0.4A(アンペア)
一般家庭用の規格電圧は100Vですので、40Wの電球だと0.4Aの電流が流れて、1時間あたり40Wの電力量を消費します、ということになります。

4-7. カーテンウォール (11)

アルミサッシが使用された例として近三ビルヂングは最初期のものですが、その後すぐに幅広くは普及しなかったようで、現在のように一般住宅にもアルミサッシが使われるようになったのは、60年代以降だったようです。それまで使われていた鉄製、あるいは木製のサッシに代わってアルミが使われるようになったわけですが、その大きな理由の1つに防水性、気密性などのサッシとしての性能が大きいように思います。
梅雨の時期や台風の時期など何かと雨が降ることが多い日本の気候において、雨漏りは常に建築物のトラブルとして悩ましいものでした。鉄のサッシはLアングルなどの規格の鋼材を組み合わせて構成するのが一般的ですし、木製のサッシは建具屋さんのお手製です。それはつまり、サッシとしての断面を考えると単純なつくりになるので、水が入り込んだときに逃がすルートが作られていなかったりします。一方でアルミサッシの場合、アルミを押し出して断面を形成するので鉄や木と比べれば格段に細かな断面を形成することができて、シールが切れて水が入ったりしても、それを外に逃がす様な工夫がサッシ内で出来るようになりました。
このようにコストも含めて性能も鉄や木以上のものを期待出来るようになったため、アルミサッシは現在では主流のサッシとなったわけです。