8-5. 地区計画・総合設計制度 (18)
さて繰り返しになりますが、総合設計では容積率と形態の制限(斜線制限)の緩和が一定以上の空地を確保することにより得られるということになっていますが、要綱の章立てとしては緩和の具体的な運用は後回しにして(4章および5章)、まずはそれ以前の計画の条件が定められています。2章の計画要件と3章の計画基準がそれにあたります。
先に挙げた総合設計の種類に応じて細かい条件が違ってきますが、まずは2章で共通の要件として羅列されているのが、適用区域(すなわち都市計画区域内であること)、空地率の最低限度、接道の長さ、公開空地の最低限度、歩道状空地および広場状空地、外壁のセットバックといった内容です。以上は共通の条件が定められていますが、それ以外に総合設計の種類ごとに適用区域、敷地面積の最低限度、全面道路の幅員などがそれぞれの内容に応じて定められています。
続いて第3章では2章で挙げられた項目ごとに具体的な内容が基準として書かれています。例えば、公開空地には歩道状空地、貫通道路、アトリウム、水辺状空地、広場状空地などがあり、歩道状空地ならば幅員が3m以上なくてはならない、あるいはアトリウムは幅が30m以上あり、地上から天井までも30m以上なければならない(!)といった内容です。また総合設計においては、これら公開空地に対する質を定量的に評価する内容も含まれており、例えば歩道状空地は長ければ長いほど歩道として有効であると判断されて、それに応じた係数が評価される面積に対して乗算されるというのも注目すべきポイントです。
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