8-5. 地区計画・総合設計制度 (16)

とはいえ、容積率と斜線の制限緩和はあくまでもご褒美であり、総合設計の目的はというと大きくは都市環境を整備することにある訳です。1章1−2の基本目標には市街地環境の整備改善、良好な建築・住宅ストックの形成、防災強化、福祉のまちづくり、職住バランス、少子高齢化対応、緑化、低炭素社会など、大雑把にどう転んでも悪くはなさそうな目標が羅列されています。これらの対応策を総合設計の要件の中に盛り込む代わりに、ご褒美である容積率、斜線制限緩和を許可するという理解で良いかと思われます。
引き続いて要綱の中には用語集があり、その中で総合設計の種類が位置づけられています。それらは「一般型総合設計」、「市街地住宅型総合設計」、「共同住宅建替誘導型総合設計」、「都心居住型総合設計」、「業務商業育成型総合設計」の5種類となっています。「一般型総合設計」については特に何かしらのテーマに特化したものではありません。
「市街地住宅型」は「市街地住宅の供給の促進に資することを目的として、…」とありますが、具体的にどのような事例が想定されているのかはここではよくわかりません。

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