8-5. 地区計画・総合設計制度 (4)

また前稿の最初に区分した2つのうちの後者「特例的な活用」については、「誘導容積型」「容積適正配分型」「高度利用型」「用途別容積型」「街並み誘導型」「立体道路制度」といった6つのタイプが想定されています。これらはそれぞれ想定されている内容があるのですが、組み合わせて地区計画を位置づけることも可能なようです。実際のところこれらのうち「誘導容積型」、「街並誘導型」および「用途別容積+街並誘導型」の3種類が用いられることが多く、その他の型については多くて3件が定められている程度です。
「誘導容積型」の地区計画は「公共施設が未整備のため、土地の有効利用が図られていない区域」において「公共施設を伴った土地の有効利用を誘導する」とあります。ここでの「公共施設」は要するに道路です。一般的に道路幅員に応じて建物の高さや容積率が決まりますが、都市計画道路など将来的に道路幅員が広くなる場所について、整備の進捗に応じて目標容積率を適用するというものです。
「街並誘導型」というのは一般的に商業地区などで容積率が十分にあり、隣地斜線も厳しくない地区において、前面道路が狭い故に道路斜線によって建物が建てられないような場所に、建物をセットバックすることで道路斜線をなくして、代わりに絶対高さを導入するといったものです。
また、「用途別容積+街並誘導型」については、「街並誘導型」は上述の通りで、それに加えて住宅供給の推進を図る地域です。都心部等では夜間人口の減少が一時期問題として取り上げられていました。ドーナツ化現象といえば聞いたことがあるのではないでしょうか。そうすると夜間の治安の悪化などの様々な問題が出てくるため、都心居住を誘導しようと、住宅用途については容積率の割増をするという制度です。(2)で挙げているNEWS Xという建物はこの地区計画を受けていて、10階は住宅用途となっています。

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