4-16. 空調機 (8)

ものを冷却する原理としてはこの気化熱がベースになります。より身近な現象を思い起こせば、スプレー缶を使用した際にそのスプレー缶は冷やされるということがあります。それは管の中に圧縮されていた液体が気体として放出されるためです。このような原理をより大掛かりに使用したのが冷房であり、冷凍庫、冷蔵庫も同じ仕組みを利用しています。
これらの仕組みは学術的には逆カルノーサイクルといって、1824年にフランスの物理学者のカルノーが理論的に位置づけたとされています。実験的にはそれより前に18世紀半ばにアルコールを揮発させることで物体を氷点下まで冷却させることに成功し、1820年にはイギリスのマイケル・ファラデーが圧縮したアンモニアを気化させて物体を冷やすことにも成功しています。この一旦、物体を圧縮するという過程を経ることによって、冷媒を他のエネルギーによって圧縮、膨張させて温度をコントロールするという流れに繋がります。1840年代にはこれらの仕組みを利用して、まずは氷を作りそれで病院の病室を冷やすということをやっているので、この時点で部屋を冷やす冷房という発想にたどり着いたといえるでしょうか。

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