4-16. 空調機 (1)

4. オフィスビルの部分

以前に「熱環境」の稿でエアコンについて多少触れましたが、本稿では環境というよりも空調機そのものにフォーカスしてみたいと思います。
エアコンの機能としては基本的には室内を暖めることと涼しくすることの2点です。暖める方は古来より火を起こすことで暖をとることは比較的簡単でした。歴史的には古代ローマではハイポコーストと呼ばれる床暖房の一種のような仕組みがあったそうです。室内で火を炊くと酸欠になってしまうのは恐らく経験上分かっていたのでしょう。火を直接部屋で炊かないで、床を二重床のようにして、床下の空間に炉で炊いて暖められた空気を送り込むことで床を暖めるということをしていたそうです。当時の床素材は石だったでしょうし、蓄熱という意味では容量も大きくて快適な床暖房を実現出来ていたのではないかと想像出来ます。朝鮮半島で見られたオンドルも似たような床暖房の方式で、4世紀から7世紀くらいの時期には既に存在していたようです。オンドルの場合は火を焚くのは台所での調理も兼ねていたようです。多くのものが朝鮮半島から日本に輸入されましたが、オンドルも当然持ち込まれたようですがなぜか定着はしなかったようです。

図4-16-1:オンドル

図4-16-1:オンドル

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