5-8. コンクリート (18)

コンクリートの組成として、セメント、水、骨材ということを先述しましたが、骨材を工夫することによってコンクリートを補強する技術が開発されています。その代表的なものがダクタルと呼ばれている超強度繊維強化コンクリートです。骨材に砂や砂利ではなくて、鋼繊維あるいは有機繊維が使われています。鉄筋コンクリートは引張りに強い鉄筋をコンクリートと融合していますが、発想的にはこれと同じで、鉄筋か繊維状になっているかの違いで引張りに対する補強をしていると考えてよいかと思います。コンクリートに比べるとダクタルは圧倒的に力学的には強く、鉄筋コンクリートの場合、鉄筋に対するコンクリートが被る厚さ(かぶり厚)が数センチ必要なので断面が大きくなりがちですが、ダクタルの場合はミクロに繊維がコンクリートを補強しているため、とてもスレンダーで強いコンクリートを実現しています。建築基準法上はまだ構造材料としては認められていないものの、キャノピーやデッキ材、ルーバーといった主要構造部ではない個所には利用されていますし、土木の分野では橋などに積極的に用いられています。

最新記事40件を表示