5-8. コンクリート (16)
ここまでは主に鉄筋コンクリートについて述べてきました。
そもそもコンクリートがなぜ固まるのかをおさらいします。まずコンクリートはセメント、骨材、水を混ぜてものが時間をかけて固まります。セメントは粉末状のもので、これに水を混ぜることで糊のような役目を果たして、骨材同士を繋いで固まります。一般的に骨材は細骨材として砂、粗骨材として砂利が使用されますが、骨材そのものは必ずしもそれらのものでなくても、あるいはなくても固まりはするわけです。そのように骨材なしでセメントと水を混ぜたものはモルタルと呼ばれます。ところでセメントの成分を化学的に捉えると、ケイ酸カルシウム、アルミン酸カルシウム、鉄アルミン酸カルシウムと呼ばれるもので、水を加えた時に水と水和反応という化学反応を起こして水和物を生成し、反応が進むとセメントゲルと呼ばれる結晶を形成するようです。化学的な説明は以上のようになりますが、いわば骨材が接着剤のようなモルタルで結びついている状態がコンクリートだと単純化して考えると、その力学的特性が引張りには弱く(糊が剥がれ易い)、圧縮には強いということは何となくイメージがし易いかと思います。
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