5-7. 鉄 (15)

さてここで一旦、鉄骨造の歴史は止めておくとして、現代の建築における鉄を少し考えてみたいと思います。
建築における鉄ということで真っ先に考えられるのは構造材としての鉄です。先にも述べましたが、現在の日本では木造、鉄筋コンクリート造(RC造)と鉄骨造の3つが主な構造形式であると言っても良いでしょう。木造については耐火性能などの観点から、規模的に2階、3階建て程度までしか一般的には建ちません。木造の集成材を使ったドームなどはありますが。(ちなみにヨーロッパでは大断面集成材で燃え代を十分に残すことによって、木造で中層建築物を建てる試みなどはあるようです。)つまり一定規模以上の建物になるとRC造か鉄骨造、あるいはそれらを複合した鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)のいずれかを構造形式として選択するということになります。
鉄骨造とRC造のどちらを選択するのかという点は、それぞれのメリット、デメリットを鑑みての判断になることかと思います。

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