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このような条件を整理した上で、設計上の最初のポイントとして、32mで10階建て、即ち階高3m程度の中にどのように構造を始めとする建築的要素を納めていくか、という課題に当たりました。
まずは一般的な構造形式を採用した場合にはどの程度の柱径、梁背になるかを構造設計者と相談して、そこからどのようにしたらそれらの断面を小さくしていけるか?というスタディを繰り返しました。柱の本数を調整したり、オーバーハングする部分だけ斜めの柱にしてみたりしましたが、なかなか断面は小さくなってくれません。途中の一つのアイディアとして梁を低くしたいのだから、スパンを短くすれば良い、つまり柱の本数を極端に増やす、ということを考えて検討してもらいましたが、確かに梁背が低くなったものの径が太い柱がたくさん並んでしまい、殆ど壁のようになってしまいました。荷重を分散しているから柱も細くなるはずと思っていましたが、地震時の水平力をもたせるにはどうしても柱が太くなる方向で耐えるしかない、とのこと。そこで構造設計者のほうから全て三角形にするトラスの構造体の提案がありました。トラスにすると全て軸方向に力が伝わるので、格段に柱が細くなります。ただそうすると今度は建築のプランが成り立ちません。そこで完全に斜めになっている柱を起こして2層あるいは3層に通る柱とし、さらに三角形を閉じるのではなく、カタカナの「ハ」のように頂点を離すことによってプランニングを成立させることを試みました。
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