4-13. 電気設備 (5)
「幹線・動力設備工事」のうち、「幹線」はこれら配電のための設備を繋ぐ主な電線のことを指します。いわゆるケーブルで繋ぐのですが、屋内はケーブルラックに沿わせる形で、屋外は一般的には水の浸入を防ぐために鋼管のなかにケーブルを通す形を取ります。
日本の場合、一般的な電化製品を使用する際の電圧は100Vですが、機械単体で100Vの電圧では賄いきれないものもあります。容量の小さい家庭用エアコンは100Vというのもあるかもしれませんが、少し大きくなると200Vくらいの電圧は必要になってきます。ということで、2種類の電圧を使い分けているようですが、オフィスビルについては「動力」と呼んでいる部分、エレベーターや空調、給水用の増圧ポンプなどパワーが必要な機器を動かす際に200Vの電力を使っています。実際にモノを動かすような力ということで、「動力」と呼んでいるのでしょうか。
ところで日本のように家庭用電源として200Vと100Vを併用している国はどちらかと言えばマイナーな方で、大半の国々は200V〜240Vの電圧を1種類使っています。どのような経緯で併用するような面倒な形になったのでしょうか…。一説によると、電気の普及が始まった際に電球などの低電力の需要が多かったために、規格をきちんと定める前に100Vが定着してしまったとのことです。
ところで、ここまで書いておいておきながらの話ですが、筆者は電気設備の専門ではないのでここでの記述は意匠設計者としての知識の範疇に留まります。とは言え、意匠担当としてはこれら設備も含めて一つの建築物として統合するのが大きな役目ですし、デザイン上も様々な形で設備が影響してきます。そういう意味でこのような認識を門外漢が把握しているということ自体が建築物をまとめる上で重要なことになってきます。
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