4-13. 電気設備 (1)

4. オフィスビルの部分

一般にもある程度知られていることかも知れませんが、建築設計および工事の上で分野ごとに設計者および施工者が分かれています。
それぞれ意匠、構造、機械、電気です。構造設計は読んで字の如く、建築物の構造を設計するもので、木造、鉄骨造、RC造などの構造計算をして、図面で描いている建物が要求されている耐震性などを考慮しながら、構造部材の組み方や断面の大きさを決定します。機械と電気はともに設備設計と言われるようなところで、機械設備については、空調、給排水、衛生(トイレなど)の設計をします。建物内外で気体か液体が流れるようなダクトが関わるような設備と考えれば良いでしょうか。電気設備については、色々な項目があるのですが(後に詳述します)、機械設備と対比的に考えるとするならば、配管(ダクト)に電気的なものが流れるようなもの全般の設計をします。意匠というのは、建物そのものをデザインして、構造、機械設備、電気設備を統合して、全体像を作り上げるのが仕事です。
それぞれ意匠図、構造図、機械設備図、電気設備図を作成します。
工事の段階になると、意匠と構造はまとまって建築工事に、機械設備は機械工事、電気設備は電気工事という大枠3種の工事種類となります。規模などにもよりますが発注の段階で、比較的小さなものはこれらがまとめて元請けのゼネコンに発注されますが、元請けは建築工事を担当して、機械と電気工事は下請けにまわされることが多いでしょう。大手のゼネコンは自社で設備部門を構えていますから、全て自社で出来ることもあるかと思います。また、公共工事だとそれらの工事は別ものとして基本的には分離発注されるように思います。分離発注されるとコスト的には下げられるというメリットがある場合もあるでしょうが、その分、工事業者がフラットな関係になるために現場をまとめるのが大変だったりすることもあります。
さてこのような設計と工事のジャンル分けを前提に、今回は電気設備について稿を進めたいと思います。

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