4-12. 執務空間 (7)

そしてこのフリーアドレスをより極端にしているのが、ノマドワーカーと言われている人たちで、もはやオフィスが必要ないというか、ノートパソコン1つでどこでもオフィスにしてしまいます。ある程度の充電があれば、wifiが飛んでなくてもインターネット環境も携帯電話からデザリングで持ってくれば十分仕事ができてしまうというわけです。

図4-12-7:ノマドワーカー

図4-12-7:ノマドワーカー

このようなワークスタイル、よくよく考えてみると特定の業種には古くからあるかもしれません。それは例えば作家です。よく歴史ある旅館などに行くと過去の文豪が一定の期間宿泊してある作品を書き上げた、という話がありますが、あれは紙とペンだけ持っていってどこでも仕事ができるノマドワーカーのはしりかもしれません。あるいは19世紀以降、室内で仕事をしていた画家がイーゼルを外に持ち出して、目の前の風景を描くようになったのも同じようなことかもしれません。つまり自らが身を置く環境を変えることによって刺激を与えて、日常とは違った形のクリエイティブな仕事をするということだと思います。そういう観点からノマドワーカーを考えてみると、従来のオフィス空間のあり方も再考する価値がありそうな気がしてきます。

最新記事40件を表示