4-12. 執務空間 (1)

4. オフィスビルの部分

本章ではオフィス全体を構成する部分についてのコラムを続けてきましたが、今までは周縁の部位についての記述が中心でした。遅ればせながら、本稿ではオフィスビルの中心を成す執務空間について検討してみたいと思います。
一般的な賃貸のオフィスは水廻り、廊下、エレベーター、階段などいわゆる共用部を除いた専有部分については、なにも設えられていないガランドウの状態で賃貸されます。そこで貸借人が自らの要請に合わせて間仕切りをして、家具を入れていきます。そのためアパートなどとは違ってオフィスに入居する際には少しばかり工事があることが多いですし、反対に退去時には原状回復工事をすることもあります。
形態の差はあれど古今東西を問わず、オフィスの執務スペースの単位はデスクであり、複数のデスクが並ぶ室内風景が執務空間としては一般的だと思います。オフィスのメインはこの執務スペースです。過去にはそこに書き物をする道具が置かれていましたが、現代では概ねパソコンが乗せられていることでしょう。
また、小さなオフィスでもミーティングスペースは確保されているように思います。その他に執務をサポートするスペースとして、書類をまとめて保管するファイリングスペース(あるいはファイル用の棚)、倉庫(あるいは収納家具)やプリンターやコピー機を設置するスペースも考えられます。またそこで執務する人のための休憩室や図書スペース、本社ビルならば食堂なども有り得ます。あるいは来社したお客様を迎える待合室やショールームなどがあることもあるでしょう。

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