4-9. エントランス (1)

4. オフィスビルの部分

建築とは何か?といったときに、1つの答えとして「内部」をつくり「外部」から切り離した環境をつくる、というようなことは考えられます。西洋的な建築が内外の境界を強くつくるのに対して、日本建築が内外の空間を連続させているといったクリシェは、度々挙げられるトピックです。ということで、「内」「外」の関係ということは建築の最も根源的なテーマの1つとして未だに考えられるわけですが、今回取り上げたいと思っている「エントランス」はその内外の関係を繋ぐ重要な建築の部分だと考えられますし、無くてはならない部分です。(エントランスが無いということは、その中に入れないということですので。)
エントランスには扉があることが殆どでしょうが、その他の場所にも窓や扉がある可能性もあります。エントランスに大きなキャノピー(庇)が出ていることもあるでしょうが、それは必ずしもエントランスだけではなく、その下にカフェがあって雨の日でも使えるようにとの配慮でデザインされることだって考えられます。
エントランス[entrance]を字義通り[enter+ance]で捉えると「入口」、人が出入りできる箇所、つまり扉が付いていればエントランスになってしまいます。しかし、一般的には「メインエントランス」「サービスエントランス」といったように、上述のような物的な状況から位置づけられているというよりも、計画的な視点からエントランスの意味が付与されていると考えて良いかと思われます。

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