8-3. 火災 (11)

最後にこれら直通階段の種類とその構造上の定義に触れておきたいと思います。(もはや「火災」の項よりも、「4-8.階段」の項の方が適切な内容かもしれませんが…。)
被災時に階段は避難上有効である、つまり円滑に避難出来るような構造となっていなければなりません。一定以上の状況の場合、それらを普通の直通階段とは区別して、避難階段、あるいは特別避難階段と位置づけて、その階段の構造を規定しています。2直階段の場合と同様に避難階段の場合にもデパートのような物販店舗の場合に別枠で規定が定められていますが、その他の建物の場合には5階以上の階、あるいは地下2階以下に通じる直通階段は避難階段としなければならず、さらに15階階以上の階、あるいは地下3階以下の階に通じる直通階段は特別避難階段としなければなりません。
避難階段には屋内と屋外の2通りが想定されていて、屋内の場合にはその階段を耐火構造の壁で囲い、内装は下地・仕上げ共に不燃材とします。階段に出入りする扉は防火設備として、外壁に設ける開口部は90cm以上隔てなければならず、屋内に面する窓は1m2以内として網入りガラスのはめ殺しの防火設備にしなくてはいけない、などの細かな規定がなされています。普通の直通階段にはこれらの様な規定はありませんので、5階建て以上の建物の階段と4階以下のものはかなりつくりが違ってくるということになります。

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