4-8. 階段 (11)

階段の踊り場という視点で見てみると少し面白いのが下の例です。

図4-8-12:ファンズワース邸

図4-8-12:ファンズワース邸

ミース・ファン・デル・ローエによる1950年の作品で、アメリカのイリノイ州にあります。20世紀を代表する住宅建築で、柱と梁、それにガラスの箱という最小限の要素によって構成されている非常なミニマリスティックなモダニズム建築です。と、本稿の文脈がないとこのような解説で良いのですが、階段に注目してみると分かることは踊り場が極端に大きいということです。そもそも踊り場が必要ない程度の高低差ですがわざわざ踊り場をつくって、それを住宅のボリュームと同程度の床サイズに拡大しています。それに階段の幅も絶対に必要のないくらいに広くしています。

図4-8-13:ファンズワース邸プラン

図4-8-13:ファンズワース邸プラン

この点はどのように理解すれば良いでしょうか?もちろん多様な解釈が出来るかと思いますが、あまり機能的な理解はフィットしないようですし、テラスとして位置づける人もいるでしょうが、建物本体から離れていていわゆる一般的なテラスとしては使わない気もします。この点を考える上で逆側のファサードを見てみると良いかも知れません。

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