9-1. 図面 (10)

手描きで図面を描く際にはいくつかの道具を使用します。宮崎駿のアニメ「紅の豚」に飛行機の設計をする少女が登場しますが、そこで製図台が使われていました。ドラフターと呼ばれる台なのですが、過去には設計事務所といえば多くのドラフターがならんでいたものでした。

図9-1-3:ドラフター

図9-1-3:ドラフター

上図は19世紀に使われていた建築家のドラフターです。基本的には平行、直角を簡単に取れるように定規が駆動する仕組みとなっています。ドラフターはそれなりに大きなものですが、より簡易なものとしてはT定規というものがあり、製図台に対してTの上辺をひっかけて平行をとり、それに三角定規を当てて直角をとるようにします。
描く道具は鉛筆、あるいはそれを下書きとしてその上にインクで清書することがありました。清書する際にも線の太さなどが図面上の重要な表現になるので、烏口という道具を使ってインキングをしていました。

図9-1-4:烏口

図9-1-4:烏口

私たちが学生の時代にはペンにインクが入っているロットリングという製図用のペンを使っていました。

図9-1-5:ロットリング

図9-1-5:ロットリング

これは製品名ではなくドイツの会社名なのですが、この製図用のペンが代表的な製品なのでそのまま通称となっています。

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