9-1. 図面 (1)

9. その他のこと

このコラムでは「オフィスについてのあらゆること」を書くと謳っていますが、特定のジャンルにはカテゴライズして書き難いトピックもありますので、そんな内容は「その他のこと」という章を設定してまとめることにしました。その1つ目のトピックは図面についてです。
私たち、建築設計の仕事の成果物は基本的には図面であると言っても良いでしょう。もちろん建物を設計しているのでいわゆる建築家の作品というものは、建築された建物であることには間違いありません。いわゆるデザイナーやアーティストと最も違うことは、最終的な作品を自分の手で作るわけではないですし、1分の1のサイズの試作品を作れるわけではないということだと思います。
例えばルネサンス時代の画家も自分でアトリエや工房を持って、自らのスタッフに指示を出して作品を仕上げていたという意味では自分の手で作品が出来上がっているわけではありませんが、いずれにせよ最終的な出来上がりの作品に直接手を加えているわけです。自動車のデザインや小さなプロダクトのデザインも自分の手で作るわけではないですが、最終的に製品として出荷される前には数多くの原寸大の試作品で検討が出来るでしょう。一方、建築物で原寸大でサンプルをつくるなんてことは、とてつもなく贅沢なことで、まず予算がそれを許しません。

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