7-3. 光環境 (7)

ところでその単位K(ケルビン)ですが、これは熱力学が前提となっています。全ての分子の運動が停止する絶対零度である摂氏約-273度を基準として、後は摂氏と同じ様な刻みで上がっていく温度の単位です。つまり摂氏36度程度である体温は310K程度になるという計算です。太陽の表面温度が5800Kなので、太陽光の色温度と概ね対応しています。
さてここで照明器具によって作られる人工的な光ですが、この色温度が電球や蛍光灯によって違うのはなんとなく知っている方が多いかと思います。いわゆる電球っぽい黄色い光は3000K程度で、段階的に概ね6500K程度までの色温度のものが設定されています。通称で、電球色(3000K)、温白色(3500K)、白色(4200K)、昼白色(5000K)、昼光色(6500K)といったところです。実際に市場では、電球色、昼白色、昼光色の3タイプが出回っています。室内でこれらの照明を灯したときには、そのスペースにかなり大きな印象の違いを作ります。電球色は暖かみのある色なので、飲食店などに多く使われます。逆に夜間でも昼のように明るい室内環境をつくりたいオフィスなどでは昼光色のランプが使われることが多いです。現在では住宅内で昼光色の蛍光灯を使っていることも多く見られますが、リラックスした雰囲気にしたい場合には電球色を使う方が良いですね。

最新記事40件を表示