4-7. カーテンウォール (11)

アルミサッシが使用された例として近三ビルヂングは最初期のものですが、その後すぐに幅広くは普及しなかったようで、現在のように一般住宅にもアルミサッシが使われるようになったのは、60年代以降だったようです。それまで使われていた鉄製、あるいは木製のサッシに代わってアルミが使われるようになったわけですが、その大きな理由の1つに防水性、気密性などのサッシとしての性能が大きいように思います。
梅雨の時期や台風の時期など何かと雨が降ることが多い日本の気候において、雨漏りは常に建築物のトラブルとして悩ましいものでした。鉄のサッシはLアングルなどの規格の鋼材を組み合わせて構成するのが一般的ですし、木製のサッシは建具屋さんのお手製です。それはつまり、サッシとしての断面を考えると単純なつくりになるので、水が入り込んだときに逃がすルートが作られていなかったりします。一方でアルミサッシの場合、アルミを押し出して断面を形成するので鉄や木と比べれば格段に細かな断面を形成することができて、シールが切れて水が入ったりしても、それを外に逃がす様な工夫がサッシ内で出来るようになりました。
このようにコストも含めて性能も鉄や木以上のものを期待出来るようになったため、アルミサッシは現在では主流のサッシとなったわけです。

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