4-5. 天井と屋根 (5)

天井に様々な設備機器が取り付いているというのと同じように、屋上には更にヘビーな設備機器が載っています。抽象のオフィスビルでは相対的にそれらのサイズが大きくなってしまいますので、屋上庭園どころか、屋上のほとんどのスペースは設備で込み合っていることは普通です。主なモノとしては、6600Vという高圧で受電した電気を実際に利用する100Vや200Vに変換するキュービクルや空調屋外機、避雷針などが考えられます。またエレベーターのカゴを吊る為のスペースとしてオーバーヘッドと呼ばれる部分が屋上部分にせり出してきたり、キュービクルに繋ぐ幹線や空調屋外機の冷媒などを取り出す為の鳩小屋と呼ばれる屋上に突出した部分などがあります。また下階に飲食店が入居しているようなビルでは給排気のダクトが屋上まで上がっていることもあるでしょう。
現代の中小規模のビルにおいては、屋上庭園なんて夢みたいな話で、実情としては設備機器で満たされるとても実際的な場所となっています。建物の熱負荷を下げる為に屋上緑化が推奨されていたりもしますが、現実的には現代の設備機器の有り様を変えなければ当分は屋上緑化が入り込む余地がなさそうです。

図4-5-4:オフィスビルの屋上

図4-5-4:オフィスビルの屋上

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