5-3. タイル (10)

その他、焼成方法や成形方法、釉薬の種類など細かな分類方法を上げれば切りがありません。
性能ではなく意匠性の観点に立てば、タイルについての重要事項の1つはタイルのサイズだと思われます。当然ですがタイルにはサイズがありますので、タイルとタイルが並んだ時の目地というのも意匠性の1つのポイントです。例えばモザイクタイルは15mmといったとても小さなタイルを並べているものです。それぞれのタイルの色を細かく変えるなどしてモザイクタイル独特の意匠表現を成立させていますが、その目地幅や色との関係で随分と印象が変わるものです。

図5-3-8:モザイクタイル

図5-3-8:モザイクタイル

また現在では過去にはあまり例をみなかった巨大なタイルが生産されています。コンクリートのように型に流し込む様なタイプの材料でない限り、概ね建材には一定の単位があります。その間に遊びをつくることで建物全体が地震などで動いた時にその建材が破壊されないようにつくられています。その遊びを埋めるのが目地で、そういう意味で目地は私たちの日常生活の中で至る所に自然と目にしているものです。その目地の間隔が2mピッチなどになると、かなり伸びやかな意匠表現ができます。

図5-3-9:大判タイル

図5-3-9:大判タイル

また、焼物であるタイルの特性とも言えるでしょうか、昨今では石に似せたタイルやフローリングに似せたタイルなども開発されており、今後も模造的なタイル素材はどんどん開発されていくのではないでしょうか。

図5-3-10:フローリング風タイル

図5-3-10:フローリング風タイル

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