5-2. 石 (9)

最後になりましたが、建築用の石材として最も初めに思いつくのはきっと大理石だと思います。大理石もその成分から石灰岩の部類として類別されるようですが、ライムストーンのような凝灰岩としてではなくて、変成岩のうちの石灰岩と考えて良さそうです。石灰岩がマグマの熱によって変成作用を起こし結晶化したものが大理石である、とのことです。
日本語の大理石という名称は10〜13世紀あたりにチベットあたりにあった大理国に由来し、そこで大理石が多く産出されたからといいます。とはいえ、現在では日本での大理石の生産は多くありませんが、一昔前は日本各地、特に山口県でも大理石を産出していました。
欧米語では大理石はだいたい「マーブル」といった呼ばれ方をしますが、これはトルコにあるマルマラ海から由来しているとのことです。現在では高級建材として珍重されている大理石ですが、西欧の観光地となっている様な古くて著名な建築物の多く(例えばギリシアのパルテノン神殿やローマの遺跡群など)は大理石が全面的に使用されています。イタリアやギリシアなどは火山が多いことを考えてみると、石灰岩が変成作用を受けて生成するということで大理石が多く産出するのだろうと想像出来ます。

図5-2-15:フォロロマーノ

図5-2-15:フォロロマーノ

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