5-2. 石 (3)

火成岩はマグマが冷えて固まったもののことを指します。マグマと言えば溶岩が思い当たりますが、溶岩はマグマが流体状に流れ出たものやそれが固まった岩のことを指しますので、火成岩の一種と考えても良いようです。地表に流れ出ずに地表付近で冷え固まったものが火山岩、地中の深くで固まったものが深成岩と呼ばれます。それぞれ固まり方が違うということは、成分、性質も違いますし、建築物に使う際には意匠性でも違いが出てきます。

図5-2-4:溶岩石

図5-2-4:溶岩石

例えば溶岩はタイル状に300角程度に切り出されて使われることが一般的です。急冷された岩は多孔質で水分を含みやすく保湿効果があります。日本ではまとまった塊としてよりも、砂利状に取れるものが多いようで、主に外構に使われます。タイル状になっているものは、中国で取れるものが多いようです。また、ヨーロッパではフランス中央部、水で有名なヴォルヴィックのあたりではとても黒い溶岩石が伐り出されます。クレルモン=フェランのカテドラルはこのヴォルヴィックの溶岩石の組積造でできており、街中で異様なインパクトを与えています。

図5-2-5:溶岩石のカテドラル

図5-2-5:溶岩石のカテドラル

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