8-1. 高さ制限 (3)

建物の敷地は道路、または隣地のみに面しています。「斜線制限」には種類が3つあって、それぞれ「道路斜線」、「隣地斜線」、それに方位に関する「北側斜線」です。高さ制限の基本的な考え方は、環境として周りの土地に日当り、通風や風景といった意味で迷惑をかけないという事です。敷地の奥に行けばいくほど周囲の敷地から離れるので影響も少なくなり、その分は高く建てても良いが、敷地境界に近い位置にはある一定の高さの制限をかけましょう、ということが斜線制限です。
「道路斜線」についてはその敷地が面している道路の幅員に因るので、道路の反対側の地上レベルから1:1.25あるいは1.5の割合で斜線を引きます。その斜線を超えることなく建物を設計すればクリアです。1:1.5の斜線の地域で4mの道路に接していれば、道路境界上では6mの高さまで建てられることになります。また、セットバックによる斜線制限の緩和ということがあります。建物を道路境界から離したとすれば、道路の反対側にも同じ距離を取ってから斜線を引くというものです。先ほどの条件で、建物を道路境界より1m離したとすると、道路の反対側にも1m離すことになるので、全体の距離が6mになります。つまり道路境界から1m離した地点では6×1.5=9mの高さが建てられるということです。

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