5-1. ガラス (9)

熱によるガラスの破壊を防ぐには、熱膨張を抑えるか熱伝導を良くするかということになりますが、ガラスの性質上、熱伝導を上げることは不可能なようです。一方で熱膨張を抑えることは、結晶化ガラスというものをガラス内に分散させることによって可能とのことです。ガラスは非晶質であるということを書きましたが、水が0℃〜4℃までは熱で膨張せずに収縮する(つまり水の体積は4℃が一番小さい)、といったことに近い物性をもった結晶化したガラスを混ぜることで耐熱性能を備えたガラスを実現しているとのことです。建物の延焼の恐れのある範囲にある開口部は火災時に火が廻るのを防ぐために「防火設備」とすること、という規定があるのですが、透明な開口部でその防火設備として求められる性能を満たすものがこの耐熱強化ガラスです。
同様な目的で網入りガラスが用いられることもあります。網入りガラスの場合、火災時にガラスは割れてしまうのですが、内包された金網によってガラスが金網から剥離しないので、火が廻るのを防ぐ役割を満たせるというわけです。

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