3-1. ルイス・サリヴァン (3)

「形態は機能に従う」を「機能さえあれば一義的に形態が決まる」と考える訳にはいけません。例えば外観で使用されているテラコッタタイルには、細かい装飾が施されておりこれは機能から説明しようとしても出来ません。また低層部と中層部のタイルを入れ換えたところで、彼の格言から外れるということでもありません。つまり、先述しましたが、この言葉を考える上では、その時代の雰囲気というか、文脈を考慮に入れることは不可欠です。現代的な我々の感覚で言葉尻を捉えてしまうと、彼の言わんとしたところを取りこぼしてしまいます。

図3-1-3:Guranty Building plan

図3-1-3:Guranty Building plan

上図の左が地上階、右が基準階の平面図です。この図で下方向が概ね北向きの方位となっています。つまり北と東に通りと面する角地で、北側がメインエントランスとなっています。地上階には通りに面して商業用途が入り、メインエントランスからは独立した入口が取られています。南西の角は奥まってしまいますが、南東方向からの細長いテナントとして、その真中あたりにはトップライトを開けることで奥まったテナントにも自然光を供するものとしています。

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