2-3. 近代/ビルディングタイプ (3)

このように「用途」との対応で建築の形式が限定されており、それを「ビルディング・タイプ」と呼んでいるということです。
そこで(単なる「オフィス」ではなく)オフィスビルという建物も1つのビルディング・タイプであることも察しがつくかと思います。

図2-3-2:オフィスビル基準階

図2-3-2:オフィスビル基準階

現代のオフィスビルの形式を記述するならば、1階とその他の階(基準階と呼ばれる)に分けられ、基準階は執務空間である事務室とその他サービス・スペースに分けられる。サービス・スペースにはトイレ、給湯などの水廻りがあり、エレベーターやエレベーター・ホールがあります。平面の大きなオフィスビルだと休憩室や更衣室などもあるでしょう。それが基準階ではシンプルに積み上げられているのが一般的です。1階にも事務室があることもありますが、それとは別に建物としてのエントランスホールがあり、管理人室や郵便受け、受付があったりもします。これがオフィスビルの典型でしょうが、このような典型が出来てきた背景を近代に探ってみます。

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