2-1. オフィスのルーツ・日本編 (2)

もう少し言葉「事務」を細かく見ていきます。
「事務」という言葉自体は古くから漠然と仕事一般を指す言葉として成立していたようです。それぞれの漢字の意味も広辞苑に因れば、「事:1、こと。ことがら。できごと。2、おこない。しごと。3、つかえ従うこと。4、個別的・具体的な現象。」「務:つとめること。はたらくこと。仕事。つとめ。」となっていて、大まかに仕事全般を指すということです。仏教では形而上的な真理や理法を示す「理」という言葉に対応する形で「事」(上述4の意味)が位置づけられていて、「務」の方でいえば、例えば禅宗では掃除などの労務を修行の一端として「作務」という言葉もあるので、語源を辿れば仏教的な世界から来ているのかもしれません。
特に明治以降に英語の[affair]や[business]の対訳として「事務」が当てられるようになり、より一般化したとのこと。また「言海」という初の国語辞典(近代国家が国語を辞典としてまとめることは、当時の西洋列強のトレンドでした。)が編纂され、その中に取り上げられることで一般化したものと考えられます。

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