2-1. オフィスのルーツ・日本編 (1)

2. オフィスの歴史

本連載で取り上げる「オフィスビル」についてですが、今回はその呼称を手がかりにオフィスの歴史を探っていきたいと思います。
「オフィス」を日本語にすれば、当たり前ですが「事務所」という言葉が対応するかと思います。例えば、建物を建築する時に建築基準法に則って届出を出す必要がありますが、その際に用途を書く欄があり、それには「事務所」という用途を書くことになります。その言葉の中身は広辞苑での解説の通り「事務を取り扱う所。オフィス。」ということです。
過去に読売新聞の記事内「編集手帳」において高島俊男さんという中国文学者がエッセイで書いておられるようですが、「事務所」という言葉は1882年に鳩山和夫(鳩山由紀夫・邦夫氏の曾祖父)が法律事務所(当時は代言人事務所)を開設する際につくった造語とのことです。1876年に代言人が試験をパスして得られる資格として位置づけられたものの、法律事務所と呼ばれるその事務をする場所をつくったのが彼が初めてと言われています。

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