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5-2. 石 (4)
地表付近で溶岩が固まって生成される安山岩のうち、有名なものとしては黒曜石があります。石器時代などで矢じりや刃物に使われた石ですが、柔らかくて加工しやすいのとエッジが立ちやすいので刃物などに使われたのだと思います。磨けばキラキラと光るので宝石としても珍重されていたようですが、建材としてはあまり使われていません。
安山岩は吸水性が高いというその性質上、建材として使われるのはあまり多くないようです。日本では白河石と呼ばれる福島で取れる石がありますが、明るいグレーの色味で石塀や外壁に使われることがあります。
火成岩のうち、溶岩がゆっくり固まって出来る深成岩で頻繁に建材として使われるものが花崗岩、通称御影石と呼ばれるものです。地学的な定義は深成岩のうち、主成分が石英と長石で、有色の鉱物含有量は10%程度、と成分による分類がなされています。見た目としては全体的に白っぽくなるようです。建材としては、鳥居や城の石垣、橋に使われてきたようで、有名な建物で言えば国会議事堂は全て国産の花崗岩で出来ているとのことです。下の写真を見てみると、基壇部分と上部とでは別種の石が使われているのが分かりますね。恐らく産地の違いでしょうか。
通称で用いられる御影石の名称は神戸の産地に由来しており、それが一般化して他の産地のものにも使われるようになった、とのことだそうです。
5-2. 石 (3)
火成岩はマグマが冷えて固まったもののことを指します。マグマと言えば溶岩が思い当たりますが、溶岩はマグマが流体状に流れ出たものやそれが固まった岩のことを指しますので、火成岩の一種と考えても良いようです。地表に流れ出ずに地表付近で冷え固まったものが火山岩、地中の深くで固まったものが深成岩と呼ばれます。それぞれ固まり方が違うということは、成分、性質も違いますし、建築物に使う際には意匠性でも違いが出てきます。
例えば溶岩はタイル状に300角程度に切り出されて使われることが一般的です。急冷された岩は多孔質で水分を含みやすく保湿効果があります。日本ではまとまった塊としてよりも、砂利状に取れるものが多いようで、主に外構に使われます。タイル状になっているものは、中国で取れるものが多いようです。また、ヨーロッパではフランス中央部、水で有名なヴォルヴィックのあたりではとても黒い溶岩石が伐り出されます。クレルモン=フェランのカテドラルはこのヴォルヴィックの溶岩石の組積造でできており、街中で異様なインパクトを与えています。
5-2. 石 (2)
対比的にみれば、日本は木造の文化、それに対して西欧は石の文化と言っても大きく間違いは無いかと思います。日本の場合、石材が使われているのは、石垣などの外構用の素材や建物の基礎としての礎石など建物自体から少し離れた部位です。(古墳時代の石室の様な例外はありますが。)
一方で西欧では古代より石が建築物の構造材として活用されてきました。その最も有名な例は古代ギリシアのパルテノンでしょう。その他、ローマのコロッセオや(欧州ではありませんが)インドのタージマハルなども石、それも大理石で建築されています。
現代ではコストの面から石の組積造によって新築の建築物を建てることは殆ど見ることはありませんが、それでも19世紀のオスマニアンの建築などはライムストーンの組積造で出来ていますので、西欧では随分と長い間、構造材として石の利用がされていました。
ところで一言で石と言っても、その種類は自然のものであるということもあり、相当な種類が存在しています。まず、
第一の大分類としてはその石の成り立ちから、火成岩、堆積岩、変成岩の3種類があるとのことです。
5-2. 石 (1)
5. オフィスビルの素材
オフィスビルの執務空間ではあまり石が使われるということはありませんが、エントランスの壁や床、建物の外壁にはよく使われます。それは機能的に石が必要であるというよりも、石のもつ素材のイメージ、高級感や重厚感、ある種の安定した感じがオフィスビルの顔としてふさわしいということなのでしょう。事実、もちろん石の素材にもよりますが、単価でいえばタイルやセメント板よりは高価ですし、事実、重量的に重いということが重厚感と関係はあるように思えます。
また、石は100%自然のものです。採石場で切り出してきて、板状に加工し、表面の仕上げを調整するだけで、そのまま建物に取り付きます。現代建築においてこのように自然素材のまま使われるのは、木と石くらいのものかもしれません。中層以上のオフィスビルが木造で作られることはないでしょうし、火災予防から構造以外の部位にも木が使われることは多くありません。それを考慮すると石がオフィスビルの中の唯一の自然素材である場合がほとんどかも知れません。
オフィスビル経営の基本Ⅱ 経営者としての心構え⑬
3.個人では入手困難な情報を調査・記入する
物件広告には記載されておらず、個人のオーナーではやや入手が困難な項目になりますが、付き合いのある仲介会社などをうまく活用して、募集条件比較表を完成させましょう。
- ①募集開始日、現空期間
- 募集を開始してから何ヶ月空室が続いているかは、競合物件の値下げの可能性を探るための大きな情報です。空室期間が長い場合、物件広告の賃料より安くする可能性がありますが、調べてみないと分からない情報です。
- ②下限賃料:値下げ意思
- 賃金交渉の下限は非常に答えにくい内容で、この問い合わせは誰もができるものではありませんが、仲介会社やオーナーに直接聞くしかありません。優良企業が入居を希望しているとして、いくらまでなら交渉の余地があるのかずばり聞いてみるのです。リアルタイムで変動するオフィス市場でもあり、下限賃料を決めているオーナーは少ないのであくまでアバウトな数字となります。私の長年のリサーチ経験からすると、ここで出てくる賃料はテナントがほぼ決まる目安の賃料であり、実際にはそれより低い賃料で決まるケースが少なくないようです。
- ③成約情報
- 具体的には成約賃料、保証金、更新料、償却費などの条件を指します。これらの情報は業者間でもなかなか出回るものではなく、それなりのノウハウ、情報網が必要ですが、厳密に比較しようとしたらこれらの情報は必須です。物件広告に表示されていた数字より低い賃料で成約している例もあるため、実際の成約賃料を知らなければ完全な比較になりません。