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Kビル新築工事(第3回定例会議)
事業名・工事名
Kビル新築工事
日時
2014年1月8日 / 10:00~12:00
場所
トゥループロパティマネジメント(株) 第3会議室
出席者
- 設計監理(建築)
- トゥループロパティマネジメント(TPM) : ST、MR、MT
- 設計監理(構造)
- K構造設計事務所 : O
- 施工
- T社 : K(現場所長)、M(部長)、T(技術営業)
- 施工(電気)
- H社 : H、F
- 施工(設備)
- O社 : A
1.前回議事録の確認
2.工程の説明
3.承認用書類提出
- 施工 K:
- コンクリート配合報告書の承認を頂きました
- 施工 K:
- 杭伏図の承認図を受領しました
- 施工 K:
- 鉄筋圧接部試験要領書のチェックバックを受領しました
4.質疑
【アルミサッシについて】
- 施工 K:
- メーカーの見本サンプルを数点持ってきました。
- 設計 MR:
- メーカーの見本サンプルをすべて取り寄せてください。艶消しも含めて見てみて検討したい考えです。
- 施工 K:
- 艶消しなどの特注品はサンプル制作にも時間が掛かり、納期と金額に影響があります。
- 設計 MR:
- 金額・納期は特注にした場合どのくらい納期がかかり、金額が上がるのか比較表などを作成してもらえれば判断しやすいです。いずれにしてもメーカーサンプルをお願いします。
- 施工 K:
- 分かりました。
【境界線からの距離について】
- 設計 MR:
- 建物の隣地境界からの離れは、200mmは確保お願いします。これは斜線制限を考慮したときに必要なセットバックでもありますが、地震時の建物の揺れによる水平のクリアランスも考慮して必要な寸法です。
- 施工 K:
- 分かりました。
【使用材料について】
- 設計 ST,MR:
- 前回定例で提案頂いていた耐火被覆材は認定基準を満たしていなかったり、屋内使用限定でした。また石材保護塗料は設計図記載メーカーのものより耐久性がありませんでした。
- 設計 ST,MR:
- お互いに時間のロスになりますから、今後は設計図に記載のメーカー品を大前提として考えてください。もし提案を頂く場合、同等品以上のメリットがある場合に限らせて頂きます。
- 施工 K:
- 分かりました。
【ガラスについて】
- 設計 MR:
- ガラス耐風圧強度計算の結果まとめ表に記載の、製作不可となっている耐熱強化ガラス5mmについては別メーカーのカタログでは製作可能寸法です。
- 施工 K:
- 別メーカーで再度確認します。
- 施工 K:
- その他に、最大寸法オーバーとなっている計算結果も現在の検討がドアや窓のW・H寸法で検討しているためもあるので、実際の制作寸法でサッシ施工図と合わせて再度確認します。
- 施工 K:
- 1FのFIXのSTDについても上下2点支持ではなく、4点支持で検討しているので再度確認します。
【エレベーターについて】
- 施工 K:
- エレベーター詳細図にある通り基礎柱に当たる部分は45mm基礎壁、基礎梁を移動すれば納まりますがよろしいでしょうか。
- 設計 MR:
- 45mm移動で良いです。基礎に干渉している部分だけが問題なので、上階の間仕切りは移動なしで可能ですね。
- 施工 K:
- はい。間仕切り壁は移動しない方向で納めます。
【廃棄物保管庫の排水桝とドレン管について】
- 施工 K:
- 意匠図の位置では基礎梁と干渉していますので、添付図にある位置で変更としてもよろしいでしょうか。
- 設計 MR:
- 添付図の通りで良いです。
【その他】
- 設計 MT:
- 契約図(製本された図面)と確認申請図とで違いがある箇所があります。
- 設計 ST:
- どの図面に違いがあるか双方で設計図の確認をすること。
- 施工 K:
- 分かりました。
- 設計 MT:
- 解りました。
- 設計 MR:
- 定例会議の議事録は前日の朝までには送ってください。予め検討する時間も必要なので。
- 施工 T,K:
- 分かりました。
以上
2014.1.16 作成:MT
4-6. 壁 (1)
4. オフィスビルの部分
室を構成する部分について、床、天井に続き、次は壁に関する考察です。
床と天井は水平面であったのに対して、言わずもがな壁は垂直面です。室を抽象的な直方体と想定すると、6面のうちの4面は壁で占められています。また、その室の中に人を想定すると、人は寝ていない限り概ね水平方向に視線を向けていますので、視野の多くにおいて壁面が占められているのではないでしょうか。
また前回の天井と屋根の議論にもあったように、建築の外側と内側という意味合いにおいては、壁も室内に面した壁と屋外に面した壁ということで、意味も機能も、そもそも素材も違います。とはいえ、呼称はというと両者とも「壁」で一括りに出来てしまいます。強いて言うならば、外側に面した壁を外壁と呼びますが、それに対して室内側の壁を内壁と呼ぶことは稀で、やはり壁は壁です。
これは英語でもフランス語でも同じことで、屋根と天井はそれぞれ、”roof””ceiling”(英語)、”toiture””plafond”(フランス語)と呼ばれますが、壁に関しては日本語と同じく特に外も内も分け隔てなく”wall”であったり、”mur”であったりします。
4-5. 天井と屋根 (5)
天井に様々な設備機器が取り付いているというのと同じように、屋上には更にヘビーな設備機器が載っています。抽象のオフィスビルでは相対的にそれらのサイズが大きくなってしまいますので、屋上庭園どころか、屋上のほとんどのスペースは設備で込み合っていることは普通です。主なモノとしては、6600Vという高圧で受電した電気を実際に利用する100Vや200Vに変換するキュービクルや空調屋外機、避雷針などが考えられます。またエレベーターのカゴを吊る為のスペースとしてオーバーヘッドと呼ばれる部分が屋上部分にせり出してきたり、キュービクルに繋ぐ幹線や空調屋外機の冷媒などを取り出す為の鳩小屋と呼ばれる屋上に突出した部分などがあります。また下階に飲食店が入居しているようなビルでは給排気のダクトが屋上まで上がっていることもあるでしょう。
現代の中小規模のビルにおいては、屋上庭園なんて夢みたいな話で、実情としては設備機器で満たされるとても実際的な場所となっています。建物の熱負荷を下げる為に屋上緑化が推奨されていたりもしますが、現実的には現代の設備機器の有り様を変えなければ当分は屋上緑化が入り込む余地がなさそうです。
4-5. 天井と屋根 (4)
みなさんは中小規模のオフィスビルの屋上に上った事はあるでしょうか?戸建ての住宅などとは違って、オフィスビルでは勾配屋根である事は少なく、ほとんどがフラットな屋根をしています。元来、屋根が傾斜をしていたのは、降って来た雨水を処理するためであり、また屋根を支える構造的に三角形のトラス状の架構とする事が理に適っているためです。近代以降、鉄筋コンクリート造や鉄骨造が発明されたことや防水技術の発展により、フラットな屋根が可能になりました。
ル•コルビュジェが近代5原則の1つとして「屋上庭園」を提唱しましたが、それもこれらの技術的な進化が前提となってのことです。マルセイユにあるユニテ・ダビタシオンの屋上を見れば分かりますが、それは本来的にはまさに庭園としての屋上が想定されていました。住人が集える2つ目の大地として、多様なアクティビティが想定されていました。
しかし、コルビュジェがそれらを提起していたのは、今となっては100年近く前です。その時には家庭用電気はあまり普及していなかったでしょうし、ましてはエアコンなんてなかった時代です。
4-5. 天井と屋根 (3)
オフィスビルの天井面は床と比べて、より多くの様々なモノ、主に設備機器が取り付いています。簡単に羅列すれば、照明器具、空調機器、煙感知器あるいは熱感知器、誘導灯、場合によってはスプリンクラーや非常用照明、無線LANのアンテナ、非常放送のスピーカー、監視カメラがつく事もあります。家具などが置かれる床面と違って、梁などで部分的に下がっていなければ、天井面は見通す事ができることが殆どですので、これらの機器をうまくまとめあげる事がオフィス空間のインテリアデザインには求められていると言えるでしょう。
とはいえ、設備機器は概ね既製品ですし、法的に何らかの認定を求められている類いのものであれば尚更、そのもの自体のデザインを変更する事は難しく、上手にレイアウトをするなり、納まりを調整するなりして天井の意匠をまとめあげるという方針になる事が多いでしょう。現在では電灯の消費電力量の観点からLEDの使用が求められており、照明器具自体にも多様なバリエーションがみられます。意匠的にはそれら照明器具の納まりやレイアウトを天井のデザインの主調とすることが多いように思われますが、その他の細かな設備機器がデザインを壊さないように調整することに設計者は四苦八苦しています。