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7-3. 光環境 (7)

ところでその単位K(ケルビン)ですが、これは熱力学が前提となっています。全ての分子の運動が停止する絶対零度である摂氏約-273度を基準として、後は摂氏と同じ様な刻みで上がっていく温度の単位です。つまり摂氏36度程度である体温は310K程度になるという計算です。太陽の表面温度が5800Kなので、太陽光の色温度と概ね対応しています。
さてここで照明器具によって作られる人工的な光ですが、この色温度が電球や蛍光灯によって違うのはなんとなく知っている方が多いかと思います。いわゆる電球っぽい黄色い光は3000K程度で、段階的に概ね6500K程度までの色温度のものが設定されています。通称で、電球色(3000K)、温白色(3500K)、白色(4200K)、昼白色(5000K)、昼光色(6500K)といったところです。実際に市場では、電球色、昼白色、昼光色の3タイプが出回っています。室内でこれらの照明を灯したときには、そのスペースにかなり大きな印象の違いを作ります。電球色は暖かみのある色なので、飲食店などに多く使われます。逆に夜間でも昼のように明るい室内環境をつくりたいオフィスなどでは昼光色のランプが使われることが多いです。現在では住宅内で昼光色の蛍光灯を使っていることも多く見られますが、リラックスした雰囲気にしたい場合には電球色を使う方が良いですね。

7-3. 光環境 (6)

もう少し光に関する物理学的なフォローをしておきましょう。(量子力学のような難しいものではなくて…。)
色温度という概念があります。金属などが想像しやすいですが、火で熱したときに、燃焼するのではなくて、金属自体がオレンジっぽい色で発光する現象があります。刀鍛冶が金属を鍛えている時の金属の状態です。

図7-3-1:鍛冶

図7-3-1:鍛冶

これは金属に限らず、あらゆる物質に起こりうる現象の様で、その温度によって低いと暖色系の色となり、高くなるにつれて寒色系の色になるということです。それを「黒体(完全放射体)から放射される光の色と対応させて、その時の黒体の温度を色温度」ということにするとしています。このように書くと難しく見えますが、簡単に言えば光の色を温度として表現しているものが色温度であると言えます。例えば、日中の太陽光は5000〜6000K(ケルビン)で白色系、ニュートラルな光として感じますが、夕焼けの太陽光は2000〜3000Kです。

Kビル新築工事(第7回定例会議)

事業名・工事名

Kビル新築工事

日時

2014年2月19日 / 10:00~11:30

場所

トゥループロパティマネジメント(株) 第3会議室

出席者

設計監理(建築)
トゥループロパティマネジメント(TPM) : ST、MR、MT
設計監理(構造)
K構造設計事務所
施工
T社 : K(現場所長)、M(部長)、T(技術営業)
施工(電気)
H社 : F
施工(設備)
O社 : A

1.前回議事録の確認

施工 K:
今回は前回議事録の添付を忘れましたので、次回に二週分説明とさせてください。
設計 MR:
分かりました。

2.週間工程の説明

施工 K:
雪の影響で若干遅れが出ていますが今週の作業で調整して取り戻していきます。
施工 K:
基礎の型枠工事前の28日頃にO氏による配筋検査を予定しています。

3.質疑

【トイレ、給湯室の設備及び天井内配管について】

設計 MR:
換気扇をそれぞれの室に個別の天井扇に変更し、ダクト配管の直径を抑えて100φとする。
設計 MR:
また、トイレの排水は天井内でもっと上に配管し、通気は床上転がし配管でお願いします。
設計 MR:
トイレの天井高さもこれで2350取れるのではないでしょうか。
施工 A:
再度検討して検討図を作図します。
施工 K:
給気をバルコニー側の天井上外壁からに変更することにより、サッシの高さを下げる必要がありますが宜しいでしょうか。
設計 MR:
それで良いです。展開図にて後日確認とします。

【EVチェック図について】

設計 MR:
SUSのバイブレーション見本は、EVとSUSサッシと合わせてみて大差がないか確認させてください。
設計 MR:
文字のフォント変更はなしとします。

【1Fエントランスホールの石割付について】

施工 K:
割付図を参照下さい、いかがでしょうか。
設計 MR:
設計図通りのプランAがいいですね。
設計 MR:
また壁、床ともに無目地で出来ないか石業者に確認してください。

【SDについて】

施工 K:
現在施工図作図中ですが、設計にあるSUSの水切りでは雨が伝って切れないので折り返しを付けてはどうでしょうか。
設計 MR:
雨がかりの箇所のみ折り返しを付けることにしましょう、つまり10Fの外階段~事務所のSDのみです。
施工 K:
他は設計図通りとする、ということですね解りました。
施工 K:
現在設計図でSD枠と壁の取り合い部などがほとんど面一での納まりとなっていますが、少しチリを出して5mmでお願いできないでしょうか。
設計 MR:
壁とのチリは5mmで構いません。
 
SD-5の引き戸は引き残しをなくして全面開放出来るようにしてください。給湯室側の間口いっぱいまでW寸法を広げる変更も合わせてお願いします。
 
解りました。全面開放だと指挟み等の問題が出そうです。
設計 MR:
ストッパーを戸尻に付ければ良いでしょう。

【地中障害について】

施工 K:
基礎掘削時に出た地中障害物に対してのお見積りを提出させていただきます。
設計 ST:
資料など含めてすべて拝見して検討します。増減の話は最終ですべての項目、変更内容などと合わせて作成していただき一回で済ませるようにしましょう。
施工 K,T:
承知しました。

以上

2014.3.26 作成:MT

7-3. 光環境 (5)

さてここまで光の単位について書き連ねてきて今更なことなのですが、これらの光の単位は心理的物理量、あるいは感覚量とも呼ばれ、人が主観的に感じている量を定量化したものです。長さのメートルや重さのグラムなどは誰がどのような状態でいても計測される量としては原理的に一定であるのに対して、光に関しては人が観測することによって定まる量です。観測する人の状態によっては同じ100lxでも、実際に感じる量は人や状態によってまちまちです。いわゆる五感に対応して、視覚/光、聴覚/音、味覚/甘さ、苦さなど、嗅覚/臭気濃度など、これらはみな心理的物理量であり、触覚に対応する刺激についてはなかなか定量化できる指標がつくり難いのが現状だと思います。
そんな五感の中で光はまだきちんと位置づけがなされている方でが、ルーメンの定義の中でカンデラという単位も厳密な定期を書けば「周波数540×1012ヘルツの単色放射を放出し、所定の方向におけるその放射強度が1/683ワット毎ステラジアンである光源の、その方向における光度」というよく分からないことになるようですが、元はと言えば1本のロウソクの光の強さを表現したとのことです。カンデラという単位はラテン語で、英語にすればキャンドル、即ちロウソクということです。全球(4πrの2乗)は4πステラジアンなので、ロウソク1本は12.566ルーメン相当になるということで、40Wの一般電球はおよそ40本のロウソクで概ね対応出来るということが分かります。

7-3. 光環境 (4)

それぞれの電球がもっている性能はルーメンで表せますが、実際にある場所がどの程度明るいのか、つまり照度を示す単位はルクス(lx)として定義されています。「1平方メートルの面が1ルーメンの光束で照らされる時の照度」とされており、式で表せばlm/m2と記されます。例えばオフィスの設計においては、机上700lxというのが1つの目安となっていているので、一般的なオフィスだとすれば皆さんの机の上の明るさは概ねそれを前提に設計されているのが普通です。一応、労働安全衛生基準では300lxということになっています。
ちなみに太陽光の平均照度は32,000lx〜100,000lxなので、いかに太陽が明るいかということがわかるかと思います。太陽を目で見てはいけないのは、実際にやってしまうと目が痛いことでも分かりますが、数字で考えてみれば、それは30,000lx以上の照度を目に当てているということになるのです。この太陽光、度々ルクス表示の記述は目にするのですが、光源そのものの明るさであるルーメンにするとどの程度のものなのでしょうか?気になって調べてみましたが、約3.6×10の28乗ルーメンということだそうです。天文学的数字でもはや想像ができませんが、圧倒的に明るい光源であるということは確かですね。