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8-3. 火災 (11)
最後にこれら直通階段の種類とその構造上の定義に触れておきたいと思います。(もはや「火災」の項よりも、「4-8.階段」の項の方が適切な内容かもしれませんが…。)
被災時に階段は避難上有効である、つまり円滑に避難出来るような構造となっていなければなりません。一定以上の状況の場合、それらを普通の直通階段とは区別して、避難階段、あるいは特別避難階段と位置づけて、その階段の構造を規定しています。2直階段の場合と同様に避難階段の場合にもデパートのような物販店舗の場合に別枠で規定が定められていますが、その他の建物の場合には5階以上の階、あるいは地下2階以下に通じる直通階段は避難階段としなければならず、さらに15階階以上の階、あるいは地下3階以下の階に通じる直通階段は特別避難階段としなければなりません。
避難階段には屋内と屋外の2通りが想定されていて、屋内の場合にはその階段を耐火構造の壁で囲い、内装は下地・仕上げ共に不燃材とします。階段に出入りする扉は防火設備として、外壁に設ける開口部は90cm以上隔てなければならず、屋内に面する窓は1m2以内として網入りガラスのはめ殺しの防火設備にしなくてはいけない、などの細かな規定がなされています。普通の直通階段にはこれらの様な規定はありませんので、5階建て以上の建物の階段と4階以下のものはかなりつくりが違ってくるということになります。
Kビル新築工事(第16回定例会議)
事業名・工事名
Kビル新築工事
日時
2014年4月30日 / 10:00~11:00
場所
トゥループロパティマネジメント(株) 第3会議室
出席者
- 設計監理(建築)
- トゥループロパティマネジメント(TPM) : ST、MR、MT
- 設計監理(構造)
- K構造設計事務所
- 施工
- T社 : K(現場所長)、T(技術営業)
- 施工(電気)
- H社 : F
- 施工(設備)
- O社 : A
1.前回議事録の確認
- 施工 K:
- キュービクルの主任技術者はまだ未決定です。
- 施工 K:
- 自動火災報知機の表示灯の平型ランプのカタログを提出します。
- 設計 MR:
- 平型ランプが良いかは再度検討します。
2.週間工程の説明
3.質疑
【事務室空調吹出しについて】
- 施工 A:
- 原設計での空調機本体からすぐに設けている風量調整ダンパー(VD)が、配管スペースが狭いため納まりませんので中止とさせていただき、配管もダクトチャンバー形状を細長くし製作し、風量調整は事務所側より手動で行う吹出し口と一体になったものでいかがでしょうか。
- 設計 MR:
- 吹出し口が事務所側より羽が見えるタイプは不可です。吹出し口は原設計のメーカーカタログを取り寄せてVDの必要性も含めて検討しましょう。
- 施工 A:
- 解りました。提案のVDは現物も取り寄せ可能ですので持ってきます。
【次回定例について】
- 設計 MR:
- 次回の定例は1週飛ばして5/14に行いましょう。
以上
2014.5.30 作成:MT
8-3. 火災 (10)
また一定の規模以上、あるいは用途によって直通階段が2つ必要なことがあります(2直階段)。いわゆる2方向避難と呼ばれている要件で、自分がいる位置と直通階段の間が燃えていたとしても、その逆方向で地上への避難が出来るようにするということです。用途的には先述と同様に映画館や劇場、一定規模以上のデパートなどに2直階段が義務づけられていて、また病院やホテル、共同住宅なども当該階が100m2あるいは200m2以上といった規模の場合に義務づけられています。いずれも大人数がその階に滞在しているということが想定されています。
また、その他の用途でも6階以上の階には原則義務づけられています。これは当然、火は上に廻りますので、上層の階の方が被災のリスクが高いためです。ここで原則と書いたのは一定の条件を満たせば、2つのうち1つの避難階段は「避難バルコニー」で代用しても良いということになっているからです。ここでは詳細には立ち入りませんが、よくマンションのバルコニーなどで足元に避難用のハシゴが設置されています。それが階段に代わる避難上有効なルートとされています。
図8-3-3:避難バルコニー
8-3. 火災 (9)
また避難の安全上の観点から「直通階段」という概念があります。これはその階段を下りて行って直接、地上の屋外に出られる階段ということです。当たり前のことのように思いますが、火災が起こっていてパニックになっているときに、階段を下りて行ったのに屋外に出られなかった、なんてことがあったら本当に大変なことです。
ちなみに一定規模以上の建物には誘導灯(緑色のランプで人が走っているピクトグラム)の設置がなされますが、誘導灯は直通階段など避難上有効なルートに誘導するためのものです。
図8-3-2:誘導灯
話がズレました。階段が直通階段となるには地上の屋外に出られるということがありますが、規模が大きな建物の場合、その階段までの距離が遠すぎて避難出来ないということでは本末転倒ですので、建物の各部分から直通階段までの距離が条件により定められています。その条件は主に建物の用途、主要構造部が耐火構造あるいは不燃材か否か、その階の階数で定められていて、例えばデパートの場合は建物の各部分から直通階段までの距離は30m以内にしなければならないということになっています。
8-3. 火災 (8)
ここまでは周辺の火災をもらわない防火、あるいは火災が起こった際に耐える耐火という2つの観点から論じてきました。火災が起こった際には建物が耐えられたとしても、何はともあれそこにいる人は避難しなくてはなりません。災害時に円滑に避難が出来るように、建築基準法あるいは東京都の場合ならば安全条例などで様々な規定が定められています。ここではそのエッセンスの一部を紹介します。
建物が複数階に渡る場合は階段が当然、建物には階段がついていますが、避難の観点から階段にはいくつかの規制が複合的にかかっています。1つには建物の使用人数が多い様な用途、または規模の場合は、階段幅を大きくしなくてはいけません。避難時には室内に滞在している人々が一気に階段に集まるために混雑しがちです。用途的には学校や劇場など、デパートなどの物販店舗ならば1500m2以上の床面積の場合には、140cm以上の階段の幅が必要となります。よくよく思い出してみると、デパートや学校の階段はゆったりと作られていますね。
