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5-4. カーペット (3)

先述の通り、カーペットを「床を覆う織物」という意味で考えれば、その歴史は人類の歴史と初源を共にするようなもので、服を着るようになった同時代からカーペットも存在していると考えられています。そういう意味では例えば日本でもムシロは古代からありました。
現存するカーペットの最古のものは「パジリク・カーペット」と呼ばれ、紀元前5世紀頃に織られたものと考えられます。

図5-4-1:パジリク・カーペット

図5-4-1:パジリク・カーペット

その他の例を探ってみても紀元前の織物がこの写真のようなキレイな形で残っていることは極めて稀です。なぜこのような美しい形で残っているかというと、氷の中の墓から発見されたからです。1947年にモンゴルと西シベリアにまたがるアルタイで発見されたといいます。織りのパターンからすると、当時のアケメネス朝ペルシアで作られたものと推定されています。これが贈り物として当時の支配者であるスキタイ王国の手に渡ったのではないかと考えられています。鹿や馬の模様が1m角あたり36万個の結び目によって表現されているようで、現在はロシア、サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館に保管されています。

5-4. カーペット (2)

カーペットの歴史を探るにあたり言葉を考えてみたいと思います。カーペットとは英語の[carpet]ですが、この語源は古いイタリア語の[carpita]から来ているようで、動詞形の[carpire]はものをドサッと落とす、といった意味があるようです。肩に担いだロールで巻かれた重いカーペットを地面に下ろす時の様子を想像すると良いのでしょうか。あまり合理的にその語源を考えるのには難しい内容です。
ちなみに現代のイタリア語では[tappeto]と呼ぶそうです。フランス語では[tapis]と呼び、これらラテン語語源の言葉はやはり近い音をもっています。ところでフランス語の[tapis]の語源は英語とは異なります。元々は馬の鞍が[tapis]と呼ばれていたそうです。現在の我々がイメージする鞍は非常にがっちりしたものですが、きっと当初は馬に乗る際には簡単な布を背中に乗せていただけだったのでしょう。
日本語では現在ではもちろんカーペットも常用しており意味も通りますが、「絨毯」が日本語としては正しいでしょう。カーペットの定義によりけりですが、古代から日本でも藁などを編んでムシロにしていたので、素材は違えど床を覆う編み物は存在していたとは思います。しかし、現代も言われる絨毯は江戸時代に鍋島藩で製法を学んで作られ始めたことがきっかけのようで、これらは「鍋島緞通」と呼ばれていたようで、「たんつ」という言葉は中国に由来するそうです。その後、明治から大正期にかけて輸入されていたものが「絨緞」と呼ばれた商品が流通するのをきっかけに、「絨緞」という言葉が普及したそうです。こちらも中国語の「ティータン」という音がベースとなっているそうです。

Kビル新築工事(第21回定例会議)

事業名・工事名

Kビル新築工事

日時

2014年6月11日 / 10:00~11:40

場所

トゥループロパティマネジメント(株) 第3会議室

出席者

設計監理(建築)
トゥループロパティマネジメント(TPM) : ST、MR、MT
設計監理(構造)
K構造設計事務所
施工
T社 : K(現場所長)、I(設備担当)、T(技術営業)
施工(電気)
H社 : F
施工(設備)
O社 : A

1.前回議事録の確認

2.週間工程の説明

3.質疑

【事務所内の空調ダクト吹出位置について】

施工 A:
施工図修正しましたので確認お願いします。

【鍵について】

設計 MR:
メールで指示した内容を説明します。
 
各扉の個別キーは、各3本
 
EPS扉は同一キー、6本
 
STD-4は、同一キー、6本
 
設備マスターキー(SD1、全EPS、SD2、SD6、STD4)、3本
 
テナントマスターキー(SD3b、SD2、STD4)、3本ずつの9セット
 
全体マスターキー、3本

【電気錠について】

設計 MR:
STD4のみ電気錠で、SD1、SD3bは通常キーとした場合、追加金額はどれくらいですか。
施工 K:
電気錠なので1か所鍵の追加で、約15万程度です。

【各階EVホール天井照明位置について】

設計 MR:
感知機はY2通り壁面から300の位置とする。
設計 MR:
非常照明はY3A通り壁面から300の位置とする。

【避雷針の接地ボックスについて】

施工 F:
1Fに2か所の設計ですが、必要でしょうか。
設計 MR:
電気設計に確認します。

【1Fコンセントについて】

施工 K:
石壁にコンセントが付く部分は設計のままでよいでしょうか。
設計 MR:
設計にて再検討します。

【各階トイレ扉のレバーハンドルについて】

設計 MR:
K社の表示錠に変更とします。

【SD5について】

設計 MR:
上部カバーの端部は正面につなぎを見せない納まりとしてください。

【スイッチについて】

設計 MR:
トイレの照明、換気扇ともにセンサースイッチとする。
設計 MR:
給湯室の照明は、センサースイッチとし、換気扇とキッチン手元灯は通常スイッチとする。
 
事務室の24時間換気扇スイッチは、EPS内に設置とする。

【給気口について】

設計 MR:
事務室の予備給気口は、100φ2個に変更とする。
設計 MR:
ベンドキャップと給気口については、決定品番を議事録に残すように、風量の抵抗で問題がありそうな場合は連絡してください。

【仕上サンプル、決定品番について】

設計 MR:
タイルカーペットとソフト巾木のサンプルを手配してください。
設計 MR:
屋外階段の長尺塩ビシートについては、設計図の品番のままで決定とします。
設計 MR:
トイレの床仕上げを、塩ビタイルから長尺シートに変更としますのでサンプルを手配してください。
設計 MR:
セメント版部の外壁塗装をカラークリアに塗装した場合、金額は変更になりますか。
 
400円/㎡アップになります。

以上

2014.7.7 作成:MT

5-4. カーペット (1)

5. オフィスビルの素材

昨今はオフィスビルの居室内の床仕上げはビニルタイル、ビニルシートを敷いたり、モルタルで均しただけのものもあるでしょうが、一番使われているものはカーペットではないでしょうか。恐らくですが、執務にコンピューターが使われるようになり、OAフロアの普及に伴って、タイルカーペットの需要が増えたのだと思います。OAフロアにすると実際問題として、床の配線の遣繰りを考えると床仕上げは自ずとタイルカーペットに限定されてきてしまいます。下足で歩き回ることを考えた時の耐久性や防汚の観点からカーペットよりもビニルタイルなどの方が良い気がしますし、実際に昔のオフィスはそうだったような気もします。ただし、ロールカーペットではなくてタイルカーペットならば、汚れたり傷んでしまった部分についてだけ交換が可能なので、メンテナンス性で問題が無くなったのでしょう。
何はともあれ、現在では度々オフィス内に使われるタイルカーペットですが、無地のもので色を選ぶ程度であったり、柄が入っていたとしても簡単なストライプであったり、あまり意匠的に特別なものは選ばないし、タイルカーペットということでデザインが限定されているように思います。しかし、人類の歴史の中ではカーペットは色々な意味をもってきたものですので、今回も歴史の流れを俯瞰してみたいと思います。

4-11. 駐車場 (5)

2つめはタワー型の駐車場で、街中でも単独で駐車場のタワーとして建っているのもみられます。

図4-11-4:タワーパーキング

図4-11-4:タワーパーキング

メーカーにはタワーパーキングとは違うシステムとしてエレベーターパーキングやフォークパーキングなどもあるようですが、建築の設計者としてはパーキングのシステムそのものより車のレイアウトとパーキング部分の形が建築に影響してくるので、これらは一括してタワーパーキングとして考えても良いでしょう。このタイプは上記写真のように単独のタワーとして街中で見かけるほか、超高層マンションなどでは大きな平面の中心にあえてパーキングをレイアウトして、日照を得られない空間を有効に活用しようという意図が読み取れます。
3つめは地下式パーキングと呼んでも良いでしょうか。オフィスビルに使いやすいものです。

図4-11-5:地下式パーキング

図4-11-5:地下式パーキング

乗入れ口が地上(あるいは地下の場合も)にあって、パレットに車を駐車して、人は外に出ておいて、パレットが地下の駐車場に収納されるものです。地下に入った後、駐車スペースは水平方向に展開されています。オフィスビルの場合は地下に居室をつくるのは難しいですし、高層ビルの場合はいずれにせよ杭や地中梁を大きく取らなければならないので、それらのスペースを有効に活用できます。