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4-13. 電気設備 (2)

さて一口に電気設備といっても、建物内には何種類もの電気に関する設備があります。パッと思いつくものとして、照明やコンセントなどがあるでしょうが、一般に中規模程度のオフィスビルの場合の工種を列挙してみます。

  • 電力引込設備工事
  • 受変電設備工事
  • 幹線、動力設備工事
  • 電灯、コンセント設備工事
  • 電話設備工事
  • LAN設備工事
  • 放送設備工事
  • ITV設備工事
  • テレビ共聴設備工事
  • インターホン設備工事
  • 自動火災報知器設備工事
  • 避雷針設備工事
  • 機械警備設備工事

以上、ここで列挙しただけで13種類ありますが、太陽光発電など特殊な設備を設置する場合はさらに複数種類の工事が加えられます。また、これらの設備はそれぞれが関連しているものもありますし、入居者が普段から目にするものと滅多にお目にかかることのないものとがあります。これらを簡単に整理しながら、オフィスビルの電気設備の全体像を大まかに記していきたいと思います。

Kビル新築工事(第26回定例会議)

事業名・工事名

Kビル新築工事

日時

2014年7月16日 / 10:00~11:30

場所

トゥループロパティマネジメント(株) 第3会議室

出席者

設計監理(建築)
トゥループロパティマネジメント(TPM) : ST、MR、MT
設計監理(構造)
K構造設計事務所
施工
T社 : K(現場所長)、I(設備担当)、T(技術営業)
施工(電気)
H社 : F
施工(設備)
O社 : A

1.前回議事録の確認

2.週間工程の説明

3.質疑

【1F郵便ポストについて】

施工 K:
施工図を修正しました。
設計 MR:
問題ありません。

【1F消火器ボックスについて】

 
施工図を修正しました。
設計 MR:
扉の裏になる部分のボックス本体も白く塗装してください。あとは問題ありません。

【1Fカードリーダー収納箱について】

 
施工図を修正しました。
設計 MR:
マグネットキャッチではなく、ボールキャッチとしてください。コンセントも内蔵になるので作図修正してください。カードリーダーについても承認品番のものを入れて作図修正してください。

【トイレ手洗いについて】

施工 A:
女子トイレは男子トイレとは同じにならず、水栓が手洗い器の右側にしか取付け出来ないタイプです。どのように致しましょうか。
設計 MR:
手洗い器の取付け位置を変更して取付けとしてください。

【事務室の予備給気口について】

施工 A:
柱とかぶる箇所があり該当位置の押出成型セメント版のセンターにコア抜きが出来ない箇所があります。いかが致しましょうか。
設計 MR:
各階廻って現場で指示します。

【天井点検口について】

施工 F:
事務室の点検口の位置はいかが致しましょうか。
設計 MR:
300角で目地なしタイプの点検口を、岩綿吸音板の割付と合わせてEPS壁近くに配置してください。
施工 F:
EVホールの点検口はこれで宜しいでしょうか。
設計 MR:
ダウンライト照明や非常用照明、天井裏空調機本体と干渉するので、施工図整理して再検討してください。

【照明スイッチについて】

施工 F:
事務室のスイッチは柱がかぶる箇所がありますがいかが致しましょうか。
設計 MR:
柱を避けた位置で、EPS裏の壁に配置することで良いですが、各階の展開図にプロットして検討したいので作図してください。
設計 MR:
10Fについては、トイレ側の壁に照明スイッチを設けて、その他のスイッチはユニットバス側に設けてください。

【1Fルーバーについて】

施工 K:
施工図を修正しました。
設計 MR:
N-93、N-95の色でサンプル作成してください。

【室内塗装について】

設計 MR:
柱・壁・天井ともにN-93 艶消しで決定で良いです。

【塗装、シーリングについて】

設計 MR:
シーリングはコンクリートグレーで統一で決定。
設計 MR:
扉は、N-93 3分艶で決定。
設計 MR:
外壁のカラークリアについては、再度サンプル作成してください。色なし、5%、20%グレーで作成してください。
設計 MR:
外部メッキアングル色は、N-82、N-85で全艶と5分艶と艶消しを作成してください。

以上

2014.7.28 作成:MT

4-13. 電気設備 (1)

4. オフィスビルの部分

一般にもある程度知られていることかも知れませんが、建築設計および工事の上で分野ごとに設計者および施工者が分かれています。
それぞれ意匠、構造、機械、電気です。構造設計は読んで字の如く、建築物の構造を設計するもので、木造、鉄骨造、RC造などの構造計算をして、図面で描いている建物が要求されている耐震性などを考慮しながら、構造部材の組み方や断面の大きさを決定します。機械と電気はともに設備設計と言われるようなところで、機械設備については、空調、給排水、衛生(トイレなど)の設計をします。建物内外で気体か液体が流れるようなダクトが関わるような設備と考えれば良いでしょうか。電気設備については、色々な項目があるのですが(後に詳述します)、機械設備と対比的に考えるとするならば、配管(ダクト)に電気的なものが流れるようなもの全般の設計をします。意匠というのは、建物そのものをデザインして、構造、機械設備、電気設備を統合して、全体像を作り上げるのが仕事です。
それぞれ意匠図、構造図、機械設備図、電気設備図を作成します。
工事の段階になると、意匠と構造はまとまって建築工事に、機械設備は機械工事、電気設備は電気工事という大枠3種の工事種類となります。規模などにもよりますが発注の段階で、比較的小さなものはこれらがまとめて元請けのゼネコンに発注されますが、元請けは建築工事を担当して、機械と電気工事は下請けにまわされることが多いでしょう。大手のゼネコンは自社で設備部門を構えていますから、全て自社で出来ることもあるかと思います。また、公共工事だとそれらの工事は別ものとして基本的には分離発注されるように思います。分離発注されるとコスト的には下げられるというメリットがある場合もあるでしょうが、その分、工事業者がフラットな関係になるために現場をまとめるのが大変だったりすることもあります。
さてこのような設計と工事のジャンル分けを前提に、今回は電気設備について稿を進めたいと思います。

初めに選ばれる建築設計Ⅰ 建築設計業務の内容③

4.建設会社選定

実施設計図が提出されてきたら、これを複数の建設会社に送付し見積もりをとります。その中から内容の適正さを分析した上で、適切な建設会社を決定し、発注するという手順になります。

5.設計監理

工事が始まると、現場定例ミーティングで詳細な施工図の提示があるので、建築設計会社はそのチェックおよび承認業務を行います。
建設会社が設計の変更を求めてくる場合もありますが、設計変更の適否をチェックすることも建築設計会社の役割です。設計会社がこの業務で手を抜くと、思わぬ費用の増額を招くことにもなるため、設計の監理業務は、極めて重要な業務です。
本サイトの設計監理の実際にて、設計監理のやりとりを理解しておくとよいでしょう。

6.瑕疵検査への対応等

完成したビルの引き渡し後であっても、瑕疵検査等のフォローアップが発生します。オフィスビルの場合、通常契約書にて瑕疵担保責任の範囲が詳細に定められているので、確認が必要です。

4-12. 執務空間 (9)

図4-12-9:グーグルロンドン

図4-12-9:グーグルロンドン

上図は検索エンジンのグーグル社のロンドンオフィスの一角だそうです。ここは果たして執務スペースなのか、リラックスルームなのか、もはや良くわかりません。むしろ、そのどちらでもあると言っても良いのかもしれません。ラップトップ一つで仕事ができる環境だと、このようにソファでリラックスしながら仕事をした方が効率は上がるかもしれませんし、同僚と会議室で打ち合わせをするよりも、このようなリビングルームのような寛いだ空間で話をした方が互いに良いアイディアを引き出せるかもしれません。

図4-12-10:フェイスブック

図4-12-10:フェイスブック

同様にこちらもIT系企業のフェイスブック社ですが、工場のような広くて天井高が高く、明るい空間にぽつんとデスクが置かれています。広い社内ですのでスケボーで移動したり、自転車に乗っても良いようです。至る所に現代アートの作品が置かれていてギャラリーの中で仕事をしているような環境でしょう。その他、DJの機材があってパーティをするスペースがあったり、プロジェクターで壁に画面を大写しにしてゲームで遊べるスペースもあるとのことです。
これらの例は非常に極端なのですが、仕事の妨げになりそうにも見えるこのような空間をあえてつくっている意図は明確で、それは社員の能力を最大限に引き出せる環境を作ろうということだと思います。IT系の企業にこのようなスタイルが多いのは、その業態がそのスタイルを許すということもあるでしょうが、それ以上に各人のアイディア、創意を引き出すことが会社に利益をもたらすということが分かっているからだと思います。