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初めに選ばれる建築設計Ⅰ 建築設計業務の内容④

基本計画の策定

基本計画の策定については、本サイトの基本計画ページにて概要をご確認ください。ここでは、オーナー様の観点からチェックすべき事項として、再度整理してみましょう。

  チェックポイント
調査・分析
  • 現地調査を行っているか
  • 法的規制についてリサーチされているか
  • 裏取りされた数値で市場調査がされているか
  • 市場調査に基づいた分析がされているか
  • 分析の過程・結果がオーナーの目から見て納得できるものであるか
ビジョン
  • 10年後も空室に悩まないビルのビジョンが提示されているか
収益計画
  • 調査、分析結果に基づいて収支計画の基礎が作成されているか

初めに選ばれる建築設計Ⅰ 建築設計業務の内容③

4.建設会社選定

実施設計図が提出されてきたら、これを複数の建設会社に送付し見積もりをとります。その中から内容の適正さを分析した上で、適切な建設会社を決定し、発注するという手順になります。

5.設計監理

工事が始まると、現場定例ミーティングで詳細な施工図の提示があるので、建築設計会社はそのチェックおよび承認業務を行います。
建設会社が設計の変更を求めてくる場合もありますが、設計変更の適否をチェックすることも建築設計会社の役割です。設計会社がこの業務で手を抜くと、思わぬ費用の増額を招くことにもなるため、設計の監理業務は、極めて重要な業務です。
本サイトの設計監理の実際にて、設計監理のやりとりを理解しておくとよいでしょう。

6.瑕疵検査への対応等

完成したビルの引き渡し後であっても、瑕疵検査等のフォローアップが発生します。オフィスビルの場合、通常契約書にて瑕疵担保責任の範囲が詳細に定められているので、確認が必要です。

初めに選ばれる建築設計Ⅰ 建築設計業務の内容②

建築設計業務の流れ

建築設計業務のフローは、本サイトの初めに選ばれる建築設計ページに簡単に説明されていますが、ここではオーナー様の立場に立って確認していきます。

1.基本計画策定

まず建築するオフィスビルの基本計画を策定します。自身が建てようとしているビルの概要、要望を建築設計会社に伝え、設計会社とともに基本計画を策定していきます。
この基本計画はビル経営のためのビジョン・プランとなる為、慎重に行う必要があります。

2.基本契約・設計委託契約締結

次に、基本計画で定められた方針に従って、建築設計会社がオフィスビルの基本設計図を作成し、イメージパースなどを使ってプレゼンテーションを行います。
このプレゼンテーションを経て、建築設計会社を選別し、設計委託契約を締結しますので、この段階までに建築設計会社の良し悪しを判断できねばなりません。

3.実施設計・建築確認申請

建築設計会社と設計委託契約を結ぶと、設計会社が基本設計図に基づいて実施設計図を作成します。実施設計図は建設会社から見積もりをとるために必要なものです。
また、建築の許可取得に向けて建築確認申請を早めに出しておきます。

初めに選ばれる建築設計Ⅰ 建築設計業務の内容①

優れた建築設計会社を得るために

まずは建築設計の場合から解説していきます。
ここまで、経営者の心構えとして、自身のビルの評価の仕方から市場調査の方法まで説明してきました。これにより、当該建築設計会社が設計を行ったビルを全て見て回れば、依頼するとビルの総収益額が高くなる「優れた専門家」かどうかを一定程度判断できるようになっているはずです。

しかしながら、建築設計会社のWEBサイトを巡ってみると、設計実績が公開されているのは、大規模な建築案件を得意とする設計会社や、注文住宅を得意とする設計会社がほとんどであって、中小オフィスビルの設計実績を積極的に公開している建築設計会社が非常に少ないことに気が付くはずです。
個性を出しやすい大規模建築や注文住宅と異なり、テナントに評価される、基本に忠実なデザイン・設計を守りつつ、他社よりも優れた結果を出し続けることは、非常に難易度が高いことであるからです。
そうであればこそ、【中小オフィスビルの建築設計実績を公開しているかどうか】は、「優れた専門家」であるかどうかの重要なメルクマールとなり得るわけですが、ほとんどの建築設計会社が自社の中小オフィスビル設計の実績を公開していない以上、経営者としては建築設計会社の仕事ぶりからも判断できるようになっておく必要があります。
あるいは、実績を見る限りは優れた専門家に見える場合であっても、それはあくまで過去の仕事であって、今後も優れた専門家であり続ける保証はありません。専門家が自身のビルで手抜きをしていないか、堕落していないかを見極めるためにも、ビルオーナーも建築設計業務の内容について一定程度勉強しておく必要があります。
そこで、次回から建築設計業務の内容について詳解していきます。

オフィスビル経営の基本Ⅲ 経営者個人の課題と専門家の必要性③

このように、オーナー様の時間的課題、ノウハウ面での課題をクリアするために、専門家を利用する必要が出てきますが、次に「優れた専門家か否かをどのようにして見極めるのか」が問題となります。

優れた専門家の定義と見極め方総論

建築設計にせよ、リニューアルやサブリースにせよ、優れた専門家というのは業者のなかでも一握りの存在であるということをまず認識する必要があります。
そもそもビルオーナー様の目的は、当該ビルを経営することによって収益をあげることにあるはずです。相続税対策でビルを経営されているオーナー様もいらっしゃるでしょうが、その場合であってもビルから収益を上げなければならないことに変わりはありません。
そうであれば、「優れた専門家」の必要条件は、「その会社に仕事を依頼することによって収益が増加すること」であり、十分条件は「他の専門家よりも総収益額が高くなる」ことであると言ってよいでしょう。
ですから、優れた専門家か否かは、過去の実績情報を全てチェックし、関わったビルの経営が成功しているかどうかをチェックしていけば自ずと見えてくるということになります。もちろん、業務内容が建築設計なのか、リニューアルなのか、サブリースなのかによって具体的なチェックの仕方は変わってきますので、詳細は次回以降の各章にて解説していきます。