初めに選ばれる建築設計Ⅰ 建築設計業務の内容①

優れた建築設計会社を得るために

まずは建築設計の場合から解説していきます。
ここまで、経営者の心構えとして、自身のビルの評価の仕方から市場調査の方法まで説明してきました。これにより、当該建築設計会社が設計を行ったビルを全て見て回れば、依頼するとビルの総収益額が高くなる「優れた専門家」かどうかを一定程度判断できるようになっているはずです。

しかしながら、建築設計会社のWEBサイトを巡ってみると、設計実績が公開されているのは、大規模な建築案件を得意とする設計会社や、注文住宅を得意とする設計会社がほとんどであって、中小オフィスビルの設計実績を積極的に公開している建築設計会社が非常に少ないことに気が付くはずです。
個性を出しやすい大規模建築や注文住宅と異なり、テナントに評価される、基本に忠実なデザイン・設計を守りつつ、他社よりも優れた結果を出し続けることは、非常に難易度が高いことであるからです。
そうであればこそ、【中小オフィスビルの建築設計実績を公開しているかどうか】は、「優れた専門家」であるかどうかの重要なメルクマールとなり得るわけですが、ほとんどの建築設計会社が自社の中小オフィスビル設計の実績を公開していない以上、経営者としては建築設計会社の仕事ぶりからも判断できるようになっておく必要があります。
あるいは、実績を見る限りは優れた専門家に見える場合であっても、それはあくまで過去の仕事であって、今後も優れた専門家であり続ける保証はありません。専門家が自身のビルで手抜きをしていないか、堕落していないかを見極めるためにも、ビルオーナーも建築設計業務の内容について一定程度勉強しておく必要があります。
そこで、次回から建築設計業務の内容について詳解していきます。

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