オフィスビル経営の基本Ⅱ 経営者としての心構え⑬

3.個人では入手困難な情報を調査・記入する

物件広告には記載されておらず、個人のオーナーではやや入手が困難な項目になりますが、付き合いのある仲介会社などをうまく活用して、募集条件比較表を完成させましょう。

①募集開始日、現空期間
募集を開始してから何ヶ月空室が続いているかは、競合物件の値下げの可能性を探るための大きな情報です。空室期間が長い場合、物件広告の賃料より安くする可能性がありますが、調べてみないと分からない情報です。
②下限賃料:値下げ意思
賃金交渉の下限は非常に答えにくい内容で、この問い合わせは誰もができるものではありませんが、仲介会社やオーナーに直接聞くしかありません。優良企業が入居を希望しているとして、いくらまでなら交渉の余地があるのかずばり聞いてみるのです。リアルタイムで変動するオフィス市場でもあり、下限賃料を決めているオーナーは少ないのであくまでアバウトな数字となります。私の長年のリサーチ経験からすると、ここで出てくる賃料はテナントがほぼ決まる目安の賃料であり、実際にはそれより低い賃料で決まるケースが少なくないようです。
③成約情報
具体的には成約賃料、保証金、更新料、償却費などの条件を指します。これらの情報は業者間でもなかなか出回るものではなく、それなりのノウハウ、情報網が必要ですが、厳密に比較しようとしたらこれらの情報は必須です。物件広告に表示されていた数字より低い賃料で成約している例もあるため、実際の成約賃料を知らなければ完全な比較になりません。

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