オフィスビル経営の基本Ⅱ 経営者としての心構え⑨
3.競合物件の情報を収集する
競合物件を選定したら、次はそれらの物件の情報を集めます。自分のビルの正しい立ち位置を把握するためにも可能な限り、詳しく正確な情報を集める必要があります。ビルの情報収集には以下の3種類があります。
- ①自分で歩いて収集する
- 自分のビルの最寄り駅周辺など、近いエリアは歩いて探すことが可能です。「テナント募集」の表示は、たいていの場合、問い合わせ先や物件概要などが記載されています。それらをもとに詳細な情報を入手していきます。また、不動産会社店頭の広告からテナント募集中のビル情報をチェックする方法もあります。チラシかあれば、そこから細かい情報も入手できます。ちなみに、自ビル周辺エリアのビル情報は、空室がない時期でも把握しておきたいものです。競合しそうなビルの新築や、空室が増加している現象など、周囲の状況を知っておくことは、不測の事態に備えるためにも必要です。
- ②ホームページで収集する
- 貸しビルを扱っている不動産会社のホームページから情報収集します。地域、広さ、賃料などで絞り込み検索をして、該当する競合ビルを抽出します。さらに、立地や賃貸条件、設備など個々の物件の詳細情報をチェックします。不動産会社によって内容は様々ですが、図面など詳しい情報を掲出しているケースもありますので、多いに活用したいものです。
- ③貸しビル専門の仲介業者から情報をもらう
- 一番効率的で信用のできる情報収集がこの方法です。一般に開示されている情報以外にも、専門的な立場で知り得る情報が入手可能なルートと言えます。ただし、日頃からこのような会社との付き合いがないと情報収集は難しく、すべてのオーナーが利用できるわけではありません。
以上の方法で情報収集をしたら、次は実際に競合となるビルを絞り込んでいきます。次回で具体的に説明します。
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