オフィスビル経営の基本Ⅱ 経営者としての心構え⑦

STEP3.市場調査

ステップ2にて自分のビルの価値を客観的に評価し終えたら、次は、自分のビルが実際の市場でどのような位置にあるのかを分析するための市場調査を行いましょう。

1.満室になるレベルを把握する

市場調査で最も大切なことは、テナントのニーズを把握することです。オフィスビルの場合、どのようなビルであれば満室になるのか、を知っておく必要があります。

ここでポイントになるのは、市場調査と称してレベルの低いビルだけを調査しても百害あって一利も無いということです。
テナントさんはオフィスビルを決めるとき、多くの候補を実際に見に行きます。そして選ばれるのはそのなかで1番のビルだけです。駄目なビルの基準に合わせていてはいつまでも満室にはなりません。

そこで、景況に関係なく、一定の成績を収めていることが多い大手4社のビルで、自分のビルと規模が同程度のビルを基準にして、満室になるオフィスビルの基準をまず把握しておきましょう。大手4社とは、三井不動産、三菱地所、住友不動産、森ビルを指します。
これら大手不動産会社には長年にわたる実績に裏打ちされたノウハウの積み重ねがあります。中小オフィスビルの場合ですと、過去10年~20年の間に造られたビルで、10~20階、1フロア300坪以下の中高層ビルを規模の小さいものから10棟ほど、先ほどの物件調査書に結果を埋めながら見て歩きましょう。
これにより、たとえ自分のビルの近くに優れたビルが無かった場合でも、レベルの低いビルでよいと勘違いをする心配はなくなります。

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