新着情報
初めに選ばれる建築設計Ⅰ 建築設計業務の内容⑨
実施設計
実施設計については、本サイト実施設計・建築確認申請ページにて概要をご確認ください。
基本設計図は、設計者がオーナー様にプレゼンテーションをするためのものでした。通常、イメージパースを使用しますが、それはあくまでオーナー様にイメージを明確に伝えるための基本的な図書であることはお話したとおりです。
それに対して実施設計図は、建設会社が工事費の見積もりを作成する際に必要となるものです。収支計画に影響が大きい建築工事費は、できるだけ正確な数字を把握する必要があります。そのため実施設計図は、ビルの外装・建材から、OAフロア、内装、設備に至る詳細な指定が加わったものとなっています。
チェックポイント | |
|
初めに選ばれる建築設計Ⅰ 建築設計業務の内容⑧
基本計画の実例紹介③
これらの調査及び検討結果を踏まえて、外観のパースが作成されます。
渋谷センター街に面する商業施設の例ですと左のようなパースを作成しました。
また、場合によっては室内のパースも作成し、オーナー様にイメージが明確に伝わるように基本計画図書を作成していきます。
初めに選ばれる建築設計Ⅰ 建築設計業務の内容⑦
基本計画の実例紹介②
次に、敷地奥の凹凸の敷地形状を有効活用するために、同空間に特別避難階段を納め、6、7階には避難バルコニーを設置することで2つの直通階段を設けない形にします。
また、渋谷・センター街での商業施設という点を考慮して、建物から独立した形で前面の道路境界に沿った大型の看板を工作物として設置することを検討します。この看板は、渋谷のセンター街という場所にこの建物が埋没してしまわないようにするための、建物の顔となる部位でもあります。
当然ながら、看板などの工作物については渋谷区で定められている規制から逸脱しないように、規制の調査を行ったうえで規模、形状などに配慮をします。
こういった検討を加えながら地上7階、地下1階のビルの基本計画が形作られていきます。
この段階での検討資料は次のようなものになります。
初めに選ばれる建築設計Ⅰ 建築設計業務の内容⑥
基本計画の実例紹介①
基本計画の具体例として、渋谷駅正面、センター街に面する敷地での商業施設の例を挙げてみましょう。当然ですが、渋谷のセンター街は商業施設としては日本でもトップレベルの価値を有する立地です。その経済的効果を最大限発揮できるよう、空間を最大限利用できる基本計画が求められます。
現地調査、法的調査を行うと、用途地は南側に凹凸があり南北に長い敷地で、間口の狭い形状です。
指定容積率を調べると800%ありましたが、前面道路が10mでしたので許容容積率は600%となってしまいます。用途地域は商業地域なので隣地斜線は厳しくありませんが、10m幅の前面道路からの斜線で建物高さが決まってしまうからです。
矩形に近い敷地形状から、天空率による斜線制限の緩和は使えないと判断して、セットバック距離と建物高さ、それによって活用出来る容積率を最大化するように検討します。
この結果、商業地であることから地下1階も活用しつつ、3.5mのセットバックをとることによって地上7階まで建てられることを確認しました。
この段階での検討資料は次のようなものになります。
初めに選ばれる建築設計Ⅰ 建築設計業務の内容⑤
基本設計と設計委託契約締結
基本計画の策定については、本サイトの基本計画ページにて概要をご確認ください。
パースはビルの概観だけではなく、室内のイメージ等も必要に応じて作成します。
例として、当社で最近設計を担当しているビルのパースを一部ご紹介いたします。
このビルはコラム「設計監理の実際」でも舞台となっているビルですので、同コラムと併せて読まれるとイメージしやすいかと思います。
遅くとも設計委託契約を締結するまでに、建築設計会社の良し悪しを判断せねばなりませんので、基本設計図書のチェックは慎重に行い、僅かでも不明な点が残らないように慎重に進める必要があります。
チェックポイント | |
---|---|
基本設計 |
|
設計委託契約 |
|