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談合
私が23,4の頃にこの業界に入って、ある一部上場のゼネコンの当時40歳くらいの課長さんが「下請けさんからいくらか儲かった」といったことを私に対して平気で言いました。よくそんなことを平気で言えるもんだなと感心してしまって。一晩10万以上取られる銀座のクラブの領収書を全部下請けに流すであるとか、しょっちゅう聞きました。挙句の果ては、ゼネコンに勤めている友人と話したときに、彼曰く、「工事業者が潰れたら国は困るでしょ、やむを得ないことなんだ。談合というのは建設業界を守るためには必要悪なんだ」と言うもんだから、こいつ狂ってるなと思いました。
というのは、取引先で勉強会があって、休憩のときに雑談的にですが、その一員の弁護士さんからゼネコンさんの談合の話がでたんですね。
「いくら大手のゼネコンさんのトップが集まって『脱・談合』を掲げても、結局永遠になくならないだろう、とみなさんは内心思っているようだ。でも単純に言えば、例えばシンガポールの法律では煙草を路上に捨てたら刑務所に入れて懲役刑になるであるとか。その他にも、マリファナ吸ったら生涯牢屋であるとか。ゼネコンの談合というと税金を泥棒しているのと一緒だから、そういう様な考えに立てば、取締役の全員に執行猶予をなしにして半年以上の懲役にすれば、談合はなくなるのではないか。」
そんな話がある弁護士さんから出ました。確かに、もし私がゼネコンのトップだったら談合はやらなくなりますね。何が何でも談合をさせないように、きっと動くでしょうね。
不可能を可能にする
苦境に陥ったときにその人の本質は表面化しやすいと思います。苦境に陥ったときに、いつも僕はできるはずだと思うわけです。言葉にするんですよ、頭の中で。絶対にできるはずだ、と。何かあるはずだ、この制約の中で、この状況の中で、と。そうすると、大体みつかるんですよ。私が20代の頃、ウルトラCはまだ新しい言葉でしたが(笑)、ウルトラCがあるはずだって思っていたんですね。やっぱりそういう風に思えるかどうかです。ぱっと見ると状況は不可能、その道に詳しい人間に聞けば誰だって不可能って言うだろう。そういう段階で、可能性はあるはずだと言える発想が持てるかどうかですね。そういう発想が持てると、次にそういったことを発見できる方向に脳細胞が動いてくれますよ。難しいかなって思うと、脳細胞は駄目になっても良いように、駄目になった時の言い訳を考え始めるから。
まあ、自分を信じるというのは難しいですね。
考えるということ
考えなくて済むということは安心してしまいます。どこかで安心しているんですよ、恐らく。僕の場合だと本を読んでいても、何をやっていても、気になることがある時は考えてしまいます。特に本を読んでいる時は悲惨で、文字を追っかけているのだけれど、頭の中に全く入って来ないですよね。(笑)うんざりするんですよ、それで考えを打ち消してもう一度読もうとしても、また駄目なんですよね。
結局、考えるということについて私が思うのは、さあ考えましょうと言ってテキストや参考書を開く。それで計算して答えを出す。これは考えた内に入りません。それは単なる処理です。インプットすれば誰でもできる。CPUで演算すれば誰でもいいわけです。
考えるというのはそうではなく、そこででた答えがもしかしたら違っているかもしれない、そもそも前提から。そういうことが気になって仕方がなくて、本を読んでいても、電車に乗っていても、考えようとしなくても、眠っていても、頭の中に入ってきちゃう。これが本当の人間にとっての考えるということであって、先の例は考えるという言語に値しない、それが僕の考えです。だいたい何かを発明するときにも、夢の中で発明するなんていうことをよく聞きますよね。会社を一歩でたら会社のことを思い浮かばないという人は、間違いなく仕事ができないと思います。世間から一定の評価を受けるような創造的な素晴らしい仕事は絶対にできないですよね。
だから考えるということに対して、もっと不安を持って欲しいんですよね。不安がないからコミュニケーションが雑になってきて、何の問題も感じなくなっちゃう。
コミュニケーション
22の終わりに入った前の会社にいた頃、会社で問題が発生したとしますよね。すると幹部会が開かれて、最終的に社長がどう判断するか、その問題に対して社長がどう思っているかは、ほぼ99%はわかりました。はっきり言って、いろんな問題に対して社長がどう判断するかをわからないのは、見込みがないですね。僕はわからなくなったからやめたんですよ。3年経ってから外れるようになったんです。
やっぱり簡単に言うと、我々にとってビルのオーナーとかテナントさんはお客さんだけれど、お客さんのニーズがわからないと商売になりませんね。色々な問題に対して社長がどう考えるかをわからないと、給料は上がらないですね。やっぱりお客さんとのコミュニケーションと上司、部下とのコミュニケーションは一緒だと思います。