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バイクのはなし
BMWのバイクはカッコいいよね。あるいはドカッティのバイクが一番かな、デザインとして美しい。30代の前半には250ccに乗っていたんですよ。
夏なんかあれで1、2時間トロトロ走っていると、気持ちいいくらい暑い。上からの陽射しも暑いし、エンジンもタンクも熱いし、堪らないよね。(笑)一方で冬は身を切られるよう。
若い連中は風が15m/秒以上あるような日でも高速をバンバン飛ばしていて、恐いよね。山と山の間は突風が吹き易いから、一発で吹き飛ばされちゃうのに、スピードを落とさない。私も元気な頃は見通しの利かないコーナーで追い越したり、無茶をしました。
作品とテクスト
建築の学生の卒業制作などを見ていると、作品に何らかの意味を付けようとしますよね。人間関係の有り様だとかを考えていて、すごく肩に力が入っている感じがします。
ーそういうのは教育的には必要だとは思います。(本橋)
でも意味が必要であるとか、意味を説明するというのは違う気がします。建築家は雑誌に掲載する時に自分で解説文を書くじゃないですか。例えば小説で言えば、自分の作品の解説文を書いたりしないから、良いなと思うんですよ。(笑)解釈は観る方が勝手に決める話だから、つくる方は作品でしか主張してはいけないと思うんです、本来は。
―建物とテクストがセットで作品だと考えるのはどうでしょう。あるいは観る側のリテラシー能力のなさから仕方なく解説を付けているとか。(笑)まあ、建築はコルビュジェにしろ建物と言説がセットになっていた方が強いですから(本橋)
油絵でも求められれば書くかもしれないけれど、最初から経緯とセットにはなってない。
―だからそれが逆に建築の個性だと思えばいいのではないでしょうか、その弱さに対してネガティブにならずに。(本橋)
学会もあることだから、建築は思想の側面が強いのかもしれない。建築のデザインは思想の結果に過ぎない、という言葉でもあれば納得しやすい。
構造設計のはなし
やっぱり構造屋さんというのは、本質的にはデザイナーですよね、力学のデザイナー。だから意匠屋さんがどういう風にしたいのか優先順位を察知して、色んなアイディアを提案してくれると楽しい。その理由も分かりやすく説明してくれれば、尚更です。だから構造屋さんとの打ち合わせは、そういうやり取りが多いほど面白いです。例えば「こうしたい」という話をして、「できません」なんて返事をされたら、これはもう最悪ですね。(笑)
富士山のバイト
富士山の八合目で2週間、アルバイトをしたことがあります。山小屋の番頭さんと言うか、何でもやる雑役夫です。5,6人いました。五合目までは車で来られるので、生活必需品だとか販売するものを取りに行って担いで来るわけです。醤油だとか味噌とか、コーラだとか。水は氷を切ってきて、屋根の上にある原始的な浄化装置に入れて、溶かして飲むんですね。醤油だとか味噌だとか、重いものをもって来るのは楽なんですよ。軽いものをもって来る時は怖い、風で飛ばされちゃうから。軽いと自分の体重しかないのに、風は体以外のところで受けるから、もってかれちゃうんですよ。
あと、そういうのを仕事でやっているプロの連中はすごくゆっくり登るんですよ。だから何十キロの荷物を担いででも登れる。でも山登りに来た人たちはゆっくり登れないんですよね、早くなっちゃう。そのペースが分からないから、ダウンしちゃう。
帰りは早い。3時間かけて登ったところを、30分で降りられます。砂の沢のところを行くんですよ。そうすると、一歩が5mくらいいくから、ずるずるーっとね。(笑)