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母と子、父と子

この前テレビで16歳の母親が取り上げられていたけれど、15歳で妊娠して、相手は同級生で、生んだんだよね。18歳にならないとまだ結婚はできないし、週末の土日は同級生もアルバイトして働いてお金を持っていって、生活の足しにする。偉いよね。

 ―それは親が理解ありますね。(本橋)

偉い親だよね。もうひとつ、19歳の母親というのも取り上げられていて、それは3人も子供がいるんだけれど、それもまたすごいよね。最初の子は15歳で生んでいるんだよ。その子育てが滅茶苦茶だという風にネガティブに見ちゃう大人もいるのだろうけれど、それは間違っていると思う。確かに年寄りが思うようにやれば良いのかもしれないけれど、大事なことはそういうことではなくて、子供のような親がいっぱい失敗しながら育てるということが、本当の育て方だよね。見ていると本当に心配だけれど、良いなって思うよね。

子供の年齢と親の年齢は同じだという表現があります。子が3歳なら親も3歳、次男が5歳ならば次男を育てた親は5歳だと。

スカイクロラ

押井守監督の「スカイクロラ」は良かったよ。愛の物語です。今年観た中では「最高の人生の見つけ方」と並ぶくらい良い作品でした。原作は森博嗣さんという人で、脚本は伊藤ちひろさんという26歳の女の子で、押井さんが頼んだようです。

押井さんは小学生、いや幼稚園生がそのまま歳をくったような感じだね。幼稚園の年長さんの顔にしわを刻んだという風な感じがするよね。

例えば建築家が家を設計するときに、家族は対話するものだとか、一緒に飯を食うもんだとか、隣人とは付き合わなきゃいけないだとか。新建築の月評をみるとそういう価値観を前提としてものをみているよね。気持ち悪いよね。なんでそれを前提としなくちゃいけないのか、不思議だよね。

根本の部分を議論しないで、パンドラの箱のようにこれは最初から価値があるなんて言われちゃうと、吐き気がしてくる。なんでそういうものが活字になって載っているんだと思うよ。

検察のはなし

東京地検の元検事で実刑判決を受けた田中森一さんという人が、検察について、捜査前から誰をどういった罪で起訴するということを決めて、それに反する調査は一切しない、と書いています。ほんとうなら怖いですね。

量刑判断

 ―司法が見せしめ的に判決をだすことがありますよね。ライブドアの堀江さんの事件なんかは、同程度の犯罪よりも明らかに量刑が重いですよね。(本橋)

利益が上がっているように見せかけて、株価を上げていたわけだから、投資家に対して本質的には詐欺ですね。それで投資家に損害を与えたわけだから。それが法律に認められた会計処理の範囲かどうかですが、ただ心情的には罪は罪だよね。

 ―その点はそうだと思いますが、その後の量刑判断が事件の話題性で重さが左右されていますよね。公正であるべき司法がメディアとの絡みでそうではなくなるのは、嫌な感じがします(本橋)

量刑はやっぱりばらつくし、効果としては大小あっていいんじゃないかな。

 ―それは対社会的な見方ですよね(本橋)

裁判は社会的な行為だと思うよ。法律は学術論文じゃない。真理を決める場所じゃないから、効率的な量刑の判断はあっていいと思います。