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伊東豊雄
伊東豊雄さんが外国から来たお客さんを連れて自分の設計した建物を見に行こうとしたときに、タクシーに乗ったらその運転手に「あの建物は外見は良いけれど、中身はまるでダメだよ。他のもの見に行った方が良いよ」って言われたそうです。ぐさっときたらしいです。
でも偉いよね、世界的に評価の高い人がぐさっとくるのが。一般的には言い訳して、こいつは何も分かってない、という風になっちゃいますよ。
狂う
学生時代、私はなにか1つの事に狂うところまでいかない人間だなって思いました。「毒を食らわば皿まで」というところまでは行かないんですよね。設計には狂える?
―どうでしょうね。僕は、設計は狂っちゃいけないと思っているんですよね。芸術とは違うんですよね。(本橋)
でもデザインでしょ?デザインは芸術の一分野じゃない?
―芸術家的な側面はあるとは思いますが、少なくとも建築家は芸術家ではないと考えています。そういう意味では半狂乱ていどのバランス感覚が必要だと思っているんですが。(本橋)
狂うっていうのは、自分に閉じ込めるときに狂気が、エネルギーが溢れるわけで、それは外見では分からないもんですよね。弱い犬の様に狂ってわめくようなことではないよ。自分の中に閉じ込めたときに、別の形で表現される事で激しく具現化することだと思うんですよね。
親友
親友の定義は?
私の場合は、一番深いところで共感できる相手ですね。絶対譲れない部分で共感できる相手です。そうじゃないと、話をしたくもないです。
―そう言っちゃうと、親友以外とは付き合えないじゃないですか?(本橋)
どちらかというと、そうなっているような気がするね。(笑)