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演技論
生い立ちを背景とした主人公は、どのような性格になっていて、その時どのように反応をするのだろう、と役者は考えるのだろうか。小説映画の登場人物あるいは過去の知人の言動を通じ考えるのだろうか。
あるいは、自分がそのような生い立ちであるなら事件のとき自分は必ずこのように反応する、と考えるか。
どちらの演技論が正しいのか。
役者の存在理由とは何か。
*
*演技
大学に入学した頃、留年をして6学年位上の土屋さんという先輩がいた。
土屋さんは演劇部に所属し、「役者は、刃物の上で演技をするようなものだ。」
と言うのが常であった。チェーホフの戯曲が好きで、バリトンの魅力的な声であった。
* 血の婚礼
週末、久しぶりに芝居を観て熱くなった。
芝居は第一にセリフ。そのセリフがすばらしい。
象徴としての路地、象徴としての鼓笛隊、象徴としての夜汽車。
戯曲は詩のような言葉の清水邦夫さん。
セリフをコントロールできるのなら、演出家が1番。
その演出が蜷川幸雄さん。すばらしい!
2番目が役者。
その役者がわたしの好きな窪塚洋介さん。
役者の演技の限界は、役者の生き方の限界。
生き方が美しければ演技も美しい。
窪塚さんはけっこう美しい。