賢いことの弊害

 一級の小型船舶の免許を取る試験の為に、尾道で10日間の合宿にいったことがあります。その時に医者の卵が居たのだけれど、試験の文章を読まないんだよね。最初の数行を読んで、この書き出しの問題はAのパターン、これはBのパターンってしちゃうんだよね。こういうのって会社の選び方とすごく似ていて、世の中を分かったつもりになっちゃってる。こういう選び方をすれば、こうなるって決めちゃってる。東大出のような頭がいい子ほど、そうなんだよね。先を見ちゃって決めちゃうのだけれど、残念だけれどそうはいかないんだよね。試験問題は答えが決まっている世界だからそれでいいけれど、社会は答えが決まってないし、あるかないかも分からない。全て変数だから。

 先をみると小さくなるよ。大成しない。重いものをたくさんぶら下げて、駄目になった時にひとつずつ下ろしていくしかない。天才ってそういうもんだよね。