土1
―萩とか備前とか、ぱっと見て分かるものなんですか?(本橋)
何焼きというのは基本的には土で分かるんだね。その土地で採れた土で、ってことなんだよね。益子とかはクセがない土だから、全国からいろんな土を取り寄せてブレンドして使っているんだよね。そういう意味でいうと前衛的なことをやっていて、芸大の作家はけっこう益子に行ってやっている人が多いみたいですね。
―窯の違いはないんですか?(本橋)
窯の違いで焼物の名前が変わるというのはないね。銘々が自分で窯を造って焼いているから。だから萩の土を通信販売で買ってきてもいいのだけれど、ただ土も色々なものをブレンドしてやるから、こだわる人は自分で山に採りに行ったりね。山から採ってきた土をそのまま使うことは、まず無いわけです。石ころが入っていたりするし、あと採ってきてすぐは土が生きているから使えないんだよね。すぐにひび割れするような土だから、それは何年か寝かします。採ってきたばかりの粘土は、有機物がいっぱい入っているんだよね